The best time of life. [後編]

 

     「ヒロ・・・遅いなぁ・・・」

約束した時間はすでに過ぎて、居場所を知らせるメールすら来ない

ダイスケはさっきから何回見ているのか分からないくらい時計と携帯のメールチェックを交互にしている

こんな事では仕事がはかどる訳も無く  

そんなダイスケの様子を黙ってアベは見ていた・・・ここで口を挟んでも何の気休めにもならない事は彼女が一番知っているから

「ねぇ?アベちゃん・・・何かあったんじゃないかな?こんなに遅くなるなるなんて」

やっとダイスケが口を開いてくれた

「確かに遅いけど、まだ1時間でしょ?今更・・・って気もするけどね。雨も降ってるし・・・」

「・・・雨?本当に?ヒロ・・・大丈夫かな?」

またダイスケの思考は元に戻ってしまってるとアベは溜め息をついた

ダイスケはと言えば、朝の会話を思い出してますます時計から目が離せなくなってしまった

「もうとっくに高速は下りているよね・・・・」

pi pi pi pi   ダイスケのメール受信音が鳴った「ヒロ!」

少し離れたテーブルに置いてあった携帯に飛びついた

普段そんなに慌てた様子を見せないダイスケを見てアベが鼻白んだ  

「どうせ、『ゴメンネ〜〜遅れちゃって〜〜』とかなんとか打ってきたんでしょ?」

「エッ・・・?なに?コレ・・・」

「ダイスケ?どうしたの?」

喜び勇んでいるかと思ったダイスケが椅子に座り込んでしまった

「ヒロ、今日は急用で迎えに来られなくなったって・・・・。それだけだよ・・・他に何か言って欲しかったなぁ・・」

「・・・もう今日は帰りなさい・・・」

とても仕事が出来る様子ではなくなってしまったダイスケにアベは声をかける 

と、同時に事務所の電話が鳴って女性スタッフが受話器を取るのが見えた

「アベさん・・お電話です」 彼女がアベに少し小声で告げる  

ダイスケはまだ身体を椅子に持たせかけたままだった

「誰?」 聞くアベにさっきより小声で彼女は告げた   

「タカミさんのマネージャーさんなんですけど、絶対、アサクラさんには気付かれない様にって言われて・・・」

「内緒って事・・・?」

いぶかしげに受話器を受け取り  「もしもし・・・お電話代わりました。アベですが・・・」

「アベさんですか・・・ハヤシです」 受話器の向こうのヒロユキのマネージャーも何故か声を潜めている

アベは嫌な予感がした

「ヒロに何かありましたか?」

「アサクラさんにはまだ言わないで欲しいってタカミさんから言われたんですけど・・・

 実はタカミさんが仕事帰りに事故に遭いまして・・・」

「エッ?!事故!」

こう言う時の声は自分が考えるより大きくなってしまうものだ、今のアベの声がダイスケに届かない筈はなかった

電話をしているアベの所にかけよって

「アベちゃん!事故って誰が?ヒロなの?   ヒロが事故に遭ったの?どうしたのか教えて!」

とうとう、アベが耳に当てている受話器を横から奪おうとした

「・・はい・・・えぇ、分かりました・・・ちょっと!ダイスケ!あ・・すいません・・・ハイッ・・じゃあまた連絡お待ちしています」

「アベちゃん!!切らないでよ!ボクに代わって!   ヒロが事故に遭ったんでしょ?ドコで?病院?」

受話器を戻して身体ごと向き直ったアベはダイスケの頬を軽く打った

パチン!      乾いた音が部屋に響く

「誰か・・・コーヒー2つお願いね」

アベはダイスケを隣の部屋に連れって行った

ソファに座るように促されたダイスケは打たれた頬に手を当てて俯いている

「・・・ヒロが・・・・ヒロが・・・・」

ダイスケのシャツの胸元に  ひとつぶ・・・ふたつぶ・・・涙が零れて行く

「そこ・・座って。」

スタッフがコーヒーを2つトレーに乗せて入って来た・・・香しい薫りが部屋の中に満ちてくる

そんな薫りを感じる余裕も無くダイスケはアベを睨み付けた

しかし、睨み付けられて怯むアベではなかった

「ダイスケ、良い?結論から言うわよ。ヒロは大丈夫。かすり傷ひとつしていないそうよ。」

単刀直入に聞かされてダイスケは少しだけ肩の力を抜いた

「本当に?   でも・・・事故に遭ったんだよね?」

「高速でね。居眠り運転のトラックに追突されそうになって自分から分離帯に突っ込んだそうよ。

 でも、それが良かったみたいね。 相手の運転手を押さえつけて、自分の携帯で警察呼んで。

 それから、まだ現場にいたスタッフに連絡して。ココが一番最後になった訳、仕方無いわよね?」

「ヒロ・・・今どこにいるの?車はどうなったんだろう?」

「警察と一緒に車の事故った箇所を確認してから自分でディーラー呼んで持ってて貰ったって。・・・信じられないけどね」

「うん・・・・」

ダイスケはやっと落ち着きを取り戻して、少し温くなったコーヒーを口に含んだ  まだこの苦味は好きになれない

でも、本当に大丈夫なのかは本物のヒロを見るまでは納得できないと思っていた

「いつ帰ってくるだろう・・・」

「まだ当分は帰れないと思うわよ。軽い脳震盪起こしたって言ってたから病院で精密検査して、それから警察で

 事情聴衆でしょうね」

「病院?!」

「当たり前でしょう・・・事故直後には何でもなくても、翌日に変化がある事だってザラよ。ハヤシさんも病院の電話から

 掛けてきたの」

ダイスケは立ち上がった

「アベちゃん・・・病院ドコか分かる?」

「落ち着きなさい、ダイスケ。あなたが行ってもどうなるものでも無いわよ。・・・・家族じゃないんだから・・・」

・・・・家族じゃない・・・・当たり前な言葉なのに今のダイスケには針のように突き刺さる

・・・ヒロユキには家族がいる・・・自分にも家族がいる・・・仲間もいる・・・友人もいる

でも、ダイスケはヒロユキの唯ひとりの“家族”になりたかった  

叶うわけが無いと分かっていても心の底からそう思った

「じゃあ・・・せめて出迎えてあげたいから。」

「送ろうか?」

アベが声を掛けたけれど、首を横に振りながら後も見ずにダイスケは部屋を出た

 

 

「今日は散々だったなぁ・・・」

時計の針が軽く翌日を指し示す真夜中にヒロユキはやっと部屋に帰って来れた

事故に遭った衝撃や病院での検査や警察での事情聴衆・・・

これらが今日一日で起こった出来事だとは思えなくて自分が疲れているのかさえ分からなかった

部屋の前に立って軽く溜め息を吐いた

きっとダイスケは部屋で待っているだろう

警察から帰る時にマネージャーから聞いた言葉が甦る

・・・アベさんの後ろでアサクラさんの声が聞こえていたので、多分事故の事は聞いていると思いますよ・・・

「怒ってるかな?・・・今朝、大ちゃんの言う事聞けばよかった・・・」

カチャッ   なるべく音を立てずに中に入りたかったけれど

「おかえり」

鍵が開けられる音をダイスケが聞き逃すはずは無かった

「うん・・・・ただいま」

ダイスケの顔を正視できなくて靴を脱ぐ為に下を向いた瞬間、ダイスケがヒロユキに抱きついてきた

「大ちゃん・・・?」

男性としては軽すぎるダイスケの身体を受け止めて気付く・・・ダイスケの身体が震えている事に

「どうしたの?大ちゃん・・・怒ってる?」

「ヒロだよね?本物のヒロだよね?・・・お化けじゃないよね?」

自分の身体で・・・体温で・・・確かめるように背中に回された手が更に強くヒロユキを抱きしめる

その瞬間 事故の知らせを聞いてからの長い時間を一人で耐えてきたダイスケを愛しいと思った

ヒロユキもダイスケの体温を感じたくて強く身体を抱きしめた

「ごめんね、心配させちゃったね。大丈夫だよ・・・お化けなんかじゃない。ヒロだよ」

身体を少しだけ離してダイスケの顔を覗き込めば、とめどなく流れる涙で頬が濡れている

何かを喋ろうとしても嗚咽で言葉にならず、代わりに自ら唇を重ねていた

しょっぱいキスはそれでも愛しい人からのモノであれば甘く官能的なキスになる

「あのさ・・・大ちゃん。ココで押し倒したいのはやまやまなんだけどさ・・・。とりあえずリビング行かない?」

泣き顔はすぐに笑い顔になり、小さくうなづいた   

 

 

「ハァ〜〜〜〜  やっと楽に息が出来る〜〜〜〜って感じ」

ソファに深く座って住み慣れた部屋の空気を思いっきり吸った

「お水で良いよね」

ダイスケがグラスをテーブルに置いた  その瞬間に浮かべられていた氷が触れ合い涼やかな音をたてた

その音が合図のように二人は見つめあって笑顔を交わす

「大変だったね。本当に身体は何とも無い?どこも怪我してない?」

「大丈夫だよ。ちょっとだけ意識飛ばしたみたいだけど・・・気付いた時にはトラックの運転手の胸ぐら掴んでた」

ヒロユキは努めて深刻にならないように話し出した

「そのトラックをサイドミラーで見つけた時からふらふらしててね・・・近づいたらヤバい・・って頭の片隅にはあったんだけど。

 まさか・・・いきなりオレの方に向かってくるとは思わなかったよ。向こうは居眠り運転でさ、警察で聞いたら覚えてないって!

 ムカつくよね。 後を走ってた車が止まってくれてトラックの方に来てくれたから、運転手見ててもらって。

 オレ自分で警察とディラーに電話したんだよ」

ダイスケがヒロユキの肩に頭を持たせかけた

「もう良い。 その時のヒロがどんなに怖い思いしたかと思うとボクまで辛くなるから。ヒロが無事で良かった・・・」

肩に感じる僅かな重みが呼び水となりさっきの玄関での激しいキスをヒロユキの身体に思い起こさせた

「オレ、シャワー浴びてくるね。病院で体中に変な電極とか付けられて気持ち悪いから・・・」

ダイスケをこんな時だからこそ流されて抱くような真似はしたくなかった

 

シャワーを浴び終わってバスルームから出ると、そこにダイスケが立っていた

「ど、、どうしたの?大ちゃん?あ・・・交代ね」

「違う・・このままベッドに連れて行って」

言い終えるなりダイスケはヒロユキの身体にしがみ付いて唇を重ねてきた

その唇が耳から項へと滑らして愛撫を繰り返す

いつもとは違う激しさの炎を自分の中に感じて戸惑いを覚えたものの、それがまた心地良くもあった

勢いよくダイスケを抱きかかえたままベッドに倒れこんでヒロユキは噛み付くような口付けを繰り返す

「・・んぅ・・ヒロ・・・生きてるよね?・・・」

苦しげな口付けの合間にダイスケが不安げに聞く

「うん・・・生きてるよ・・・確かめてみる?  オレに触ってみて・・・」

ダイスケの右手を掴んで自分の裸の胸に当てさせた

「分かる?オレの心臓動いてるでしょ?」

音の無い部屋に響いてくる心臓の力強い鼓動にダイスケは圧倒された

確かに彼はココにいて、自分だけを見つめてくれていると・・・安心できた

「本当だね、凄いドキドキいってる・・・興奮してる?ヒロ?」

「だぁいちゃん・・・それはオレを煽ってるの?勘弁してよ」

ヒロユキは力が抜けたようにダイスケに覆いかぶさって、そっと耳に囁く

・・・この状態で興奮してなかったら変でしょ?・・・・

そう言いながら・・・ダイスケが身に纏っていたバスローブを開いて胸の小さな突起に唇をよせた

「あ・・・ん・・・」

片方の突起はヒロユキの長い指で弄ばれて紅く色付き始めた

「うぅ・・・はぁ・・・ヒロ・・気持ち良いよ・・・」

普段はあまり快感を表に出さないダイスケの素直な言葉にヒロユキが驚いた

「大ちゃん・・・そんな声出さないでよ・・・・可愛すぎて。オレ、死んじゃうかも」

情けない声を出すヒロユキに今度はダイスケが耳元で囁いた

 

・・・生きたまま天国に連れて行ってくれる?・・・

 

・・・良いよ、一緒にいこう・・・・

 

その夜はお互いの鼓動を確かめるかのように激しく求め合った

でも・・・ダイスケにはヒロユキに抱かれて甘い声を出している時にも言えない言葉があった

『ヒロと家族になりたい』

きっと一生言ってはいけない言葉・・・・

言えば君を苦しめるだけの言葉・・・・

 

 


 

 

ヒロユキは事故の後処理の為や何かでイロイロと走り回っていて、お互いに顔を合わせられない日が続いた

レギュラーのラジオに来るメールやハガキで自分の誕生日が近い事にダイスケは気付いた

「今年はナニが頂けるのかしらね〜〜?あの人から・・・」 アベがダイスケをからかった

「別に・・・ヒロが元気だったら、それだけで良いよ」

「アラ〜〜〜〜なるほど。で?その不死身の男は最近何をしてるの?」

「事故の事は保険会社が動いてくれてるけど、やっぱり車はダメになちゃったから・・・。

 今ね探してるよ、毎日車のパンフ見せられてる」

pipipi・・・

ダイスケが確認するとヒロユキからだった

「ヒロから。“今日はいつ帰れる?”だって。  そんな・・・無理だよね?」

ちらりとアベを見ながらメールの返信を打とうかどうか、指が迷っている

「無理ね」

あっさりとアベは答えた

「今はね・・・。ラジオ録って、連載されてる雑誌の質問に答えたら帰れるって打っておいたら?」

アベの言葉にダイスケはいそいそと返信した  『すぐに帰るからね』

この業界の『すぐ』は『すぐ』ではないのだけれど・・・

ダイスケの気持ちはヒロユキの元に飛んでしまっているようだ

「あーーーー・・・今日はもう使いモノにならないわね」

それを見ていたアベが溜め息を吐いた

 

 

『今日は大ちゃんの部屋で待ってるから・・・ワンコもOK(汗)』

ヒロユキからの返信メールを貰ったダイスケが愛犬達と共に帰ってきた

「ただいま」

「おかっえり」

ちょっとだけ苦手だったダイスケの愛犬達とも慣れて来た

「アルもアニーもおかえり」

ヒロユキがゲージのある部屋に連れて行く   実はサッサとダイスケから離そうと言う企みもあるのだが・・・

「ありがとね・・ヒロ」

「どういたしまして」 

帰ってからすぐはシャワーを浴びたり、食事をしたり、パソコンのメールチェックをしたり、犬のブラッシングをしたりと、

二人で話す時間がなかなか取れない

 

「大ちゃん・・・ワインにする?」

「そうだね」

ヒロユキがワインを持ってリビングの床に腰を下ろしたのを見て、ダイスケも隣に座った

「ヒロ、車決めた?」

ワインを注いで貰うのを待ちながらダイスケが聞いた

「決めた・・・決めた・・・。もう即決!すぐに来るから楽しみにしてて」

自分の分も注ぎ終わると軽くグラスを合わせて乾杯する

「ヒロの新車に乾杯かな〜〜」

ヒロユキがそっとソファのクッションの下に隠してあったモノをテーブルに広げた

「大ちゃん・・・コレ」

促されて見るとソレは『養子縁組』の書類だった

「『養子縁組』って・・・?ヒロ・・・?」

 

「大ちゃん・・・家族になろう」

冗談ではないと、ヒロユキの瞳がダイスケに訴える

「ちょ・・ちょっと・・・待って・・・」

「ずっと考えてたんだ『結婚』って何かって。それも男同士ってどうなんだろ?って。なかなか答えが出なくて。

 でもね・・・この間トラックにぶつかられて意識を失う瞬間思い浮かんだのは大ちゃんだけ・・・親でも兄弟でもなかった。

『オレは今まで生きてきて誰かを心から愛せたか・・・誰かを幸せに出来たか・・・』って思った時にも思い浮かんだのは

 大ちゃんだったよ。 頼りないけど・・・オレとビジネスパートナーじゃなくて、本当のパートナーになってください」

ココで『ごめんなさい』って言われたらシャレにならないよなぁ・・・って思いながらヒロユキは照れくさそうに頭を下げた

「良いの?」

心なしか不安気な声でダイスケは尋ねた

「人に堂々と言える事じゃないよ・・・分かってる?そんなの許される訳無いよ・・・」

ヒロユキに告白されて嬉しくない訳が無かった・・・でもそれは彼の為に断わるべきものではないのだろうかと心が葛藤している

 

「学生時代の友達が役所にいてさ。車探す振りして、奴に相談してたんだ。偏見なんか欠片もない奴だから

 『お前が良いと思うなら』って手続きもやってくれるから」

「でも・・・」

ヒロユキはダイスケを抱きしめた

「大ちゃん・・・何が不安なの?オレと家族になるのは嫌?  何が怖いの?」

「嫌じゃない。ボクもずっと言葉にしたかったよ・・・でもね、ヒロにはマイナスになるでしょ?

 偏見の目でヒロが見られるのが辛い」

「そんなものさ・・・関係ないって。家族になろう・・・愛してるよ」

その言葉がヒロユキの胸に顔を埋めたダイスケの頬に一筋の涙を流させた

・・・・・・涙の中にすべての迷いを閉じ込めてしまおう、君が受け止めてくれるなら何も怖くはないから

「   ボクで良いの?   」

「   大ちゃんが良い   」

ヒロユキはダイスケをそっと毛足の長い柔かいラグの上に押し倒して優しく口付ける

背中から肩にかけて手を滑らせて・・・二の腕から手首に滑らせて・・・

辿りついた手の平に指を滑らせて・・・お互いの指を絡ませる

口付けは誓いの為に    繋ぎあった指は二度と離れない為に   神様に見せつけてやろう

 

「あ・・・あのね・・・大ちゃん、オレ知らなかったんだけど・・・・養子縁組って一日でも年上の方が親になるんだって・・・

 どうしよう?」

ダイスケはクスッと笑った

「ん・・・ボクもインターネットで調べた。  ボクがヒロのパパになるんだね」

「大ちゃんがオレのパパ・・・?可愛いパパだよね」

ふざけて甘えて来る図体の大きい子供にダイスケは優しい眼差しを向ける

「それより、ヒロ。ヒロのご両親に何て言えば良いんだろう・・・許して貰えるかな?」

「今日ね・・・家に行って来たよ。親や兄弟にちゃんと言ってきた、大ちゃんが素晴らしい人だって事は

 前から理解してくれていたし。 『ヒロユキが決めたのなら思う通りにやれば良いよ』って言ってくれた。

 大ちゃんだから心配してない」

ヒロユキの身体を愛しげに抱き寄せる

「この身体も心もみんなお父さんとお母さんが作ってくれたモノだから。ボクは感謝してもしきれない・・・」

「大ちゃんもそうでしょ?・・・あ!大ちゃんの御両親にはどうやって言おう。

 『大ちゃんをお嫁に下さい』って言わなきゃダメかな?」

「うちも大丈夫だよ、『自分が責任が取れるなら何でもやって良い』って言ってくれてるから。

 来年になったらお互いの家に一緒に報告しに行こうね」

テーブルの上の用紙を二人で見つめた

「ねぇ?ココの『保証人』の欄はどうするの?誰か署名してくれるかな?」

「さっきの友達がさ、ココまで来たら同罪〜〜って署名してくれるって。あとは・・・ねぇ?アノ人しかいないでしょ・・?」

顔を見合わせて頷き合った、同じ事を考えていたようだ・・・・

         きっと彼女は怒りながらも祝福してくれるだろう

 

「これは大ちゃんのお誕生日の日に受け付けて貰えるように頼んだからね・・・オレからのバースディプレゼント

 受け取ってくれる?」

「うん・・・・喜んで」

もう一度、誓いのキスを神様に見せつける

君と同じ籍に入ることがこんなにボクに勇気をくれるとは思わなかった

君と同じ籍に入ることがこんなにオレを幸福にしてくれるとは思わなかった

 

この紙一枚が二人を縛り付けるものではなく、お互いがこの世で生きるために必要なモノだと思わなかった

 

        11月4日  アサクラダイスケとタカミヒロユキは「結婚」した。

 

 

 

***********************************************END   

                                                                   前編へ  

 

 

Rilla さんからのリクエストで書かせて頂きました「結婚」の後編でございます。

ゼーーゼーー(青息吐息) もう・・・もう・・・何が何だか・・・・(T_T)

かなり壊れてしまってる・・・ゴメンナサイ<(_ _)>もう謝るしかない!

                                suika

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