バレンタインデー
『・・・ここ・・イイ?』
「うん・・・あっ・・もう・・・」
『ここにいるから・・ね?大ちゃん・・・』
「あんっ・・・」
『だ・・い・・・・・ちゃん・・・・』
『大ちゃん・・・良かった?』
「もう、そう言う事は聞かないんだよ」
『あれ?・・良くなかったんだ・・・じゃあ、もう一回?』
「バカ・・・もう身体もたないよ」
『大ちゃん・・・ズ〜とズ〜と一緒にいようね・・・形には出来ないけど・・・結婚しよう・・』
僕の愛しい人はそう呟くように言うと、穏やかな寝息を立て始めた・・・
「 嘘つき 」
「結婚なんて無理なのに・・・・・・・」
今年のお正月実家に戻ったら、結婚したばかりの妹の幸せそうな顔を見て、言うともなしに父が呟いた
【お前も・・・そろそろ・・・】
聴こえない振りをして、話を変えてしまった。
・・・ゴメンネ・・・・・・・・・・・
・・・僕が愛しているのは、女の子じゃなくて男性なんだよ・・・・・・・・
・・・でも、目の前で大輪の花の様に笑っている妹と負けないくらい僕も幸せなんだ・・・・・
・・・分かって貰えるとは、思わないけれど、いつか話さなくてはいけないのだと思う・・・・
・・・自分が愛して、求めて、たどりついた人だから、後悔なんてカケラもないけれど・・・・
・・・でも・・・一つだけ・・・ほんの一つだけあるとしたら・・・・・・
・・・それは家族にも言えない愛だと言うこと・・・・・・
・・・ヒロもそう思い悩んだ事はあるんだろうか?・・・・
可愛い顔をして、眠っている。
「何にも考えていないんだろうな」
溜息とともにこぼれる笑み。
『大ちゃん?』
薄茶色の瞳が僕を見つめている。
「ん?どうしたの?」
『大ちゃんが居なくなるような気がした・・』
不安そうな声を出して、僕を抱きしめて、胸に顔を埋めてきた、いつもと反対だ・・・。
「・・・甘えん坊さん・・・」
僕もヒロを抱きしめてあげた・・お母さんのように。
「僕がヒロから離れる訳ないじゃない」
『うん・・分かってるけど。“結婚しよう“って言葉で言っても大ちゃんは信じてくれないでしょ?
形が無いのって不安だよね・・・どうしたら信じてくれるのかな??』
「ヒロ・・・」
ちゃんと考えてくれているんだ・・ゴメン・・・
『〜〜〜僕には叶わぬ愛も、君となら叶えられるから〜〜〜♪』
アルバムの中の曲を小さく囁く様に歌ってくれた・・僕の大好きな声で・・・。
「ありがとう・・・嬉しいよ」
何気に時計に目をやれば、0時を過ぎた所だった・・・
「今日って・・・14日?バレンタインデーだね。何かヒロにあげなくちゃ?チョコ欲しい??」
答える代わりにヒロの唇が僕の唇をふさぐ。
『チョコより・・大ちゃんが欲しい。今日だけじゃなくて一生、大ちゃんが欲しい』
「うん・・・あげる。好きなだけ食べていいから・・・」
言葉が終わらないうちに、深い口ずけで心ごとさらわれる・・・・
*****END*****
ちょっとベタですが・・やっぱり「バレンタインデー」ですよん(*^_^*)
大ちゃんがヒロになにもあげないはずがありません・・・だからって「身体」・・ゴホッゲホッ・・・
砂糖、一杯吐いていただきましょう!!(爆)
本当はこの後にHシーンを書く予定でしたが・・・・・・・・・書けませんでした・・・ホッ(-.-)
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