敏腕マネージャーの苦悩【

 

 

アベは目の前のニンジン頭とエセ聖徳太子の2人に頭を抱えていた

そりゃあ、片方のニンジン頭はわかってはいたけれど・・・

もう一人のアレも長い付き合いだからツアーさきでの無精ヒゲなどは何度も見てはいたけれど・・・

いざ目の前にオレンジの髪とアゴヒゲの男が並ぶと『これってアクセス?』

頭の上にデッカイ?マークがついてしまう・・・それぞれのファンクラブのカメラも入っていると言うのに

きっと今日のイベントに来たファンもそんな気持ちになるんじゃないだろうか

「変かな?これ・・・・」とオレンジを指差してダイスケがヒロユキに聞いている

「ううん!すっごい似合ってるよ」  (おーおーいつもながらダイスケには調子が良い事)

「良かった」

「ねぇ?オレのヒゲは・・・変?」  (おっ?珍しく殊勝な態度じゃない?)

「ううん!すっごいカッコイイ」

「本当?じゃあこのまま出ようっと」 (だ〜か〜ら〜この男を誉めるなって言ったでしょ!)

ダイスケのソロの活動が忙しくなって今回の打ち合わせも事務所を通じてしか出来なかった

久し振りに会ってその風貌に驚きもしたけれど、もういい大人だからファンの前に出る時は綺麗にしてくれると思っていた

すると「このまま出たいなぁ」言い出した時はダイスケを味方に付けていて・・・事後報告じゃないの?それって?

デビューしたての頃の様にヒロユキの頭を思いっきり殴る事はもう出来ない

あの頃、やはりファンイベントにピアスをして出ようとしたヒロユキの頭を殴って叱りつけたものだったが・・・

 

「アベちゃん・・良いよね」

ダイスケの声で我に返った

「ん?何が?」

「あれ・・・聞いてなかったの?ヒロ・・・このまま出ても良いよね、レアなヒロをみんなに見せてあげられる貴重なイベントだよ」

「もう、わかった。でもステージに上がってファンやマツウラさんの鋭い突っ込みにはちゃんと自分で対処するようにね」

「OK!」

「良かったね〜〜ヒロ」

「うん・・・・でもさ本当に大丈夫かな?」

「大丈夫だよ、僕が良いって言ってるんだから間違いないって」

「だよね?」             

(偉そうに言っても結局心配してるんじゃない)アベは2人のやりとりに思わず苦笑してしまっていた

 

コンコン・・・ドアがノックされると会場側のスタッフが顔を出して来た

「スイマセン・・・アベさん、ちょっとお願いします。」

「はい。・・・じゃあいつでも出られるように用意しといてよ」

 

色々な事情でファン全員が席に着いた時にはすでに30分押していた

「すぐに始めますから」

アベは慌てて控え室へと走る   (何回も声をかけて貰ったのにどうして袖にいない訳???)

いきなりドアを開けるのはさすがに躊躇われる

特に2人だけにしてしまった時は危険だ・・・何度見てはいけない場面に遭遇したのか分からない

アベは深呼吸で息を整えた  こう言う時はこの手を使うしかない

「何やってんの!早くステージの袖にいらっしゃい!」ドア越しに怒鳴った

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「ホラッ・・・怒られた」

「ゴメン・・・反省します」

バツが悪そうに部屋から連れ立って出て来てアベの横を擦り抜けるダイスケからヒロユキと同じ香りがした

(何してたんだか・・・・)

こう言う時のダイスケは尻尾を出さない・・・だから、ヒロユキを軽く睨みつけてやると

「ン?何・・・?アベちゃん」

(アラララララララ・・・しれ〜〜っとしちゃって誰かさんの図太さが移ったのかしら?)

「わぁ!」それでも微妙に動揺しているのかステージ袖の小さな段差につまずいている

「プッ!」アベは吹き出した

 

仲良しユニットのマネージャー、アベの苦悩も最近は楽しいかも知れないと思う日々である・・・

 

 

 

******END******

 

 

 

久し振りに「アベマネージャー」を出してみました。かなりなショートだ(汗)

本当はどんな人か想像も出来ないんですけど(^_^;スイマセン。

話題の「アゴヒゲ」ネタです・・・剃って無いじゃん!?みたいな・・・(爆)>24時間TV

                           suika

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