敏腕マネージャーの苦悩【3】

 

 

【STAFF ONLY】と書かれたドアを開けてアベは中に入った

連日のライブと移動で流石の敏腕マネージャーも疲れとストレスがピークになっていた

リハーサルを終えた後もサポートする裏方はライブ前もライブ中もそれこそライブ後も戦場のような忙しさだ

それを統括する立場のアベの疲れは回りが想像する以上のモノかもしれない

ゆっくりコーヒーを飲む時間も取れないほどだ

今も若い女性スタッフがアベにダイスケとヒロユキの居場所を尋ねてきた

そろそろメイクの時間なので楽屋を訪ねたが二人共いなくて・・・と

自分が探すからと彼女を仕事の場所に帰した

スタッフの声が遠くに聞こえる位置にあるこの部屋・・・

長い机が4つとパイプ椅子が数個置いてある

見回せば奥にもう一つドア

一番近くにあった椅子を引き寄せて崩れるように座った

「もう・・・若くないわね」誰の前でも言わないセリフが口からポツリ

どこも大成功続きで一同嬉しい悲鳴を上げているライブももう終盤を迎えようとしている

ココで弱音を吐いたら舞台で頑張っている二人に申し訳無いとアベが自分を奮立たせようとした時・・・

 

 

「・・・だめだって・・ヒロ・・・見つかっちゃうよ」

「大丈夫・・・大ちゃんだってその気になったでしょ?」

奥のドアの向こうから、小さいが聞き覚えのある声がする

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!?

「あんのやろうたち・・・・」

アベは机に突っ伏した

 

 

「さっきのヒロ、カッコ良かった〜〜見とれちゃった」

「そう?バスローブ姿だけどね」

「あんなカッコ良いヒロはファンの子達に見せたくないかも・・」

「・・・大ちゃん?もうすぐライブ本番なんですけど」

「だって〜〜〜」

「そう言う事言う口はどうしよう?」

「こうする?」

・・・・・チュッ!と唇が離れる音がした

お前らなぁ〜〜〜〜アベは頭が怒りで沸騰しそうだった

「え〜〜それだけ?」

「ココでは我慢して・・これ以上はデキないでしょう?」

「あと2時間あるから・・・大丈夫!デキる」

「そんな事したらライブ出来なくなっちゃうよ〜〜」

「そうなの?オレは腰のキレとか良くなるかと思うんだが・・・」

2時間って・・・・もうメイクとか支度しなきゃいけないのよ!!

「ライブ前にそういうコトした事あるんだ・・・・フ〜〜ン」

「エッ?!あれ?そんな意味で言った訳じゃないから〜〜」

「・・・怪しい」

「想像しただけ!大ちゃん〜〜〜〜こっち向いて〜〜」

アハハハ・・バカヒロ・・今のダイスケがどんな怖い顔をしているかアベには見なくても判る

「もう・・・ヒロって正直すぎる」

「だから・・・そんな事してないって」

「本当にした事ないの?」

「・・・ねっ・・・何でもしてあげるから信じて・・・」

そんな軽い男の言葉に絆されるな〜〜ダイスケ!

「・・・アッ・・・もう・・・そんなトコ触ったらダメだって・・・ヒロ・・」

「ちょっとだけ試してみない?オレの腰のキレが良くなるかどうかさ」

「でも・・・」

「最後までヤラなきゃ良いでしょ?流石に大ちゃんは大変な事になちゃうから」

判っているなら今すぐヤメロ!ヒロユキ!!

「ん・・・ヒロ・・・」

「大ちゃん・・・ダイスキだよ」

 

 

二人の睦言が続く部屋からアベはそっと出た

「これ以上・・・あのバカップルの近くにいられないわ!!」

でも、このままにしておくとこの部屋に誰かが入ってしまうかもしれない・・・アベは頭を抱えた

ふと思いついて側にあったマジックペンで張り紙に手を加えた

【STAFF ONLY】を消して・・・

 

 

 

 

【access以外立ち入り禁止】

 

 

 

 

「バカバカしい・・・・・」

仲良しユニットのマネージャー、アベの苦悩は果てしなく果てしなく続く・・・・

 

 

************END*********************

 

 

甘すぎて書いてる自分が気持ち悪くなってしまいました・・スイマセン(T_T)

倉敷で「ナマチュー」したって聞いてから、もうどうして良いか判らない・・どうにもならんがな(ーー;

                            suika

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