敏腕マネージャーの苦悩【2】
『頼むよ・・・絶対!14日!・・えっ?分かってるって・・いきなりで無理は承知だけど・・・15日?オレら札幌だから・・・
14日じゃなきゃ意味無いんだって!うん・・・・頼む。この通り・・・・後で何でも聞くからさ・・・じゃあ、また・・・』
ピッ!
通話終了ボタンを押して、オレは壁にもたれかかった。
ココは名古屋・・・・・。
アルバムのプロモーションと、FMラジオの公開録音のイベントの為に昨日から走り回っている。
昨日、ラジオゲストに出たと思ったら、今日の午前中は大阪で公開録音のイベントをこなし・・
また名古屋に戻って、たった今、***FMの生出演をこなしたばかりだった。
ガラスの向こうに集まってくれた沢山のファンの子達・・・・。
嬉しかったけど、回らない頭じゃ、ロクに答えられるはずも無い・・・。
おまけに携帯の電源をオフにするのを忘れていた。
-----------------------ヤバイ!そろそろあの人が------------------------------------
《ヒロ!!!!》
-----------------------来た!!----------------------------------------------------
アベちゃんの怒りが背中を向けていても突き刺さってくる。
《どうして、あんたは!!!昨日のラジオの生出演の時にもかかって来てたでしょう!言ったはずよ!電源は切っておけって!!
あんたも芸能人の端くれなら、それくらい言わなくても分かるでしょ!ポケットに入れたままで出演するんじゃないわよ!》
『・・・はいっ・・・おっしゃる通りです・・・・・』
どんな事情があってもアベちゃんには逆らえない、ってかアベちゃんが正しいからね。
《あんたの仕事が不規則だって事が理解出来ないような彼女とは付き合うんじゃないわよ!》
『別に・・・そういうんじゃないから・・』
《じゃ・・何なのよ・・・?》
《フ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜》
『アベちゃん?溜息をすると幸せが逃げて行くって・・ウッ!』
ジロッ・・と凄い眼光で睨まれた。---------恐い-------------
《誰のおかげで溜息が出ると思ってるの??エェ!!》
『スイマセン』
《もう、嫌になるわ。あんたと言い・・・ダイスケと言い・・・》
『大ちゃん・・どうかした?』
《FMのスタジオからず〜〜と不機嫌だったでしょ?ひょっとして気付いてない?》
『あれ・・そう?オレとは話していたよ』
《あんたと話さないダイスケが見て見たいわ・・・、でもかなり機嫌悪いわよ》
そう言いながら、オレをジッと睨みつけるから・・・
『・・・オレのせいなのかな?』
《じゃないの?心当たりは?》
『・・・・あります・・・・・』
《もうすぐ公録なのよ、それまでにダイスケの機嫌を直しなさい!
あんたがボ〜〜っとしてても、ファンは「可愛い!」って言ってくれるけど。
ダイスケの機嫌が悪いと公録が進まないでしょ。ファンは目ざといんだから》
『だよな・・・。ねぇ?アベちゃん。大ちゃんの機嫌を直したら14日の夜、時間くれる?』
《14日ね・・・ライブのリハ真っ只中なんですけどねぇ。-----いいわよ、少しだけなら--------》
『絶対だから!後で聞いていないって言わないでよ』
オレは大ちゃんの所に走って行った。
《14日ね・・・・・バレバレだわよ・・貴水博之。でも、ダイスケの機嫌を直せるのはヒロとわんこだけだからね。》
しかし・・・・《やってらんない!!》
冷たい廊下にアベの叫びと、溜息だけが響いている。
仲良しユニットのマネージャー、アベの苦悩は無限に続く・・・・・・。
*****END*****
流花さんのリクエストにお答えして書きました。
この後に「ホワイトデー」話に続きます・・・多分・・・予定・・・(爆)そっちはH有り!にしたい(願望)
でも本物を見ちゃうとHって書きにくくないっすか(^_^;恥ずかしいよね。
suika
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