◆◇ 熟れ頃・・触り頃・・食べ頃・・ ◇◆







『季節限定・・・・・早くしないと傷んじゃうよ・・・・・早く! 早く!』

「何だろ・・・・・コレ?」

朝起きたら携帯に入っていた一通のメール

もちろん差出人はあの人だ

この『季節限定』って所に引っかかる

今、店頭に並んでいる季節のモノ・・・?

桃 葡萄 チェリー メロン スイカ プラム ?

だめだ、オレの知ってる果物を総動員させても見当がつかない

これはギブして彼にメールで聞くしかないか?

それとも・・・・・会いに来いと言う意味なんだろうか?

一応は簡単にメールを返信してみる



すぐに帰ってきた返事

『産地直送!今が旬!』

「何なんだよ?!訳わかんねーーーー」

思わず携帯を投げつけたくなってしまった

・・・最も、コレで壊れてしまえば新しい機種に替えるチャンスなんだけど

それでも、無視するわけにはいかなくてノロノロとベッドから這い出す

出掛ける前に日課のジュースを作ろうと冷蔵庫の中を覗いた

当たり前に入っている果物達・・・その中でも後回しにされてしまう果物は水分を失ってきている

順番に使ってるつもりでも手元に近いモノから出してしまってる

「そっか・・・こう言う事だね」

いつも新鮮でいられるのは理想だけど、やっぱり自分の目で指で肌で感じないと瑞々しさって分からないじゃん

「大ちゃんも水分足りてないんだろうか?」





着替えてから今日のスケジュールをマネージャーに確認する

忘れていました・・・では済まされない事くらいはオレも分かってる

【午後4時からです。一時間前に電話しますけれど、出来れば都内にいて下さいね】

「OK!大丈夫・・・水分あげに行くだけだから。っと、、オレが貰いに行くのかもしれないね」

【水分???ですか?】

「じゃあね」

受話器の向こうで悩み続けているマネージャーをそのままにオレは電話を切った

リビングの上の銀のトレーから車のキーを掴んだ時、玄関のチャイムが鳴る

「おいおいおいおい・・・・タイミング悪いって」

オートロックを潜ってココまで来れるのは余程親しい人しかいない

下手すると・・・元彼女?ってな事にもなりかねなくて

小さなレンズでは誰なのか判別もつかず・・・思い切ってドアを開けた

さっきクイズのようなメールをくれた人がそこに立っていた

「大ちゃん?!」

「良かった・・まだ出掛けていなくて・・・ヒロはあまり家にいないから」

ドアのチェーンを外して大ちゃんを中に招き入れる

「オレの方から行くつもりだったんだよ。 だって・・・大ちゃん忙しい・・・・」

最後まで言わせずに細い腕がオレの首にしがみついて来て唇を重ねてきた

少しだけ目を閉じるのを遅らせると大ちゃんの頬が薄く色付いているのが分かる

自分からキス強請るのって勇気いるみたいだね

キスしながら器用に靴を脱いでそのままリビングへ向かう

「・・・・???」




やっと唇を離したと思ったらオレの耳元へ

「産地直送・・・期間限定の美味しいボクを届けに来たよ・・・」

「賞味期限いつまで?」

「待てるの?」

「無理!」

せっかくのご馳走が自分から来てくれたんだからココで食べなきゃ男じゃないしね・・・




遮光カーテンを引けばそこには人工的な闇が訪れる

布一枚隔てた向こう側がまともな世界なら、ココにはモラルの欠片も持たない獣が二匹

多少の後ろめたさを覚えながらも芳しい香りを放つ彼を外の世界に出す事は出来ない





彼だけはまだそのままに・・・オレは生まれたままの姿になった

「ボクも脱いだ方が良いよね?」

「ダメダメ・・・美味しい果実って皮ごと食べるのも良いんだってね」

白いジャケットだけ脱がせて座ったままだった彼をベッドに横たえてすっぽりと腕の中に抱く

金の髪がフワっと広がった瞬間に本当に熟れた果実の香りをオレの五感が捉えた

「うそ・・・マジ?」

大ちゃんの顔に思いきり自分の顔を近づけた

すぐにキスしないでじっと彼の顔を見つめる

「・・・何 恥ずかしいよ」

「大ちゃん・・・無理してない?」

くっきり二重でアーモンドの形の綺麗な瞳、すこし上向いた鼻、薄い唇は紅く色付いている

そんな可愛い顔の中で目の下にうっすらっと見える陰が痛々しくて・・・

「ボク・・・そんなひどい顔してる?・・・ごめんね」

悲しげに伏せる目蓋にキスを落す

「何言ってんの・・・すんごい可愛いよ。 でさ・・・どこが食べ頃なの?」

「ん?」

「どこから食べたら良いんだろうって困ってるんだよ。 早く食べないと痛んじゃうんでしょ」

大ちゃんの腕がオレの背中に回って強く引き寄せられる

「全部・・・・特に今は唇・・・ん」

言い終らないうちにオレは味わう

キスしながらTシャツの上から胸元をまさぐってみる

「ンンン・・・」

Tシャツ越しでも分かるくらいすぐに尖り始める素直な身体が嬉しい




布地越しはやっぱり物足りない

だってやっぱ直に触れないと鮮度って分からないし・・・味わう為には皮っていらないし・・・

言ってる事とやってる事が違うって大ちゃんは大笑いしてるけど、後で後悔させてあげるからね




白い綺麗な肌を晒して彼はシーツの海をたゆたう・・・

指が触れる場所全てが完熟な果実のように蜜を滴らせてオレを喜ばせてくれる

「あ・・・もうヤダ・・・」

強く抱き締めすぎて壊してしまわないように彼の一番熟れた場所へと身体を進めた

「大ちゃん・・・」

囁く言葉とは裏腹に彼の裡に絡めとられているオレ自身は激しく動きたがる

透明な愛液が雫となって彼の内腿を濡らそうとも離す事なんて出来ない

「一緒に・・・ね・・・?」

大ちゃんと一つになれる瞬間がこの世で一番幸せな時間だと知っている

この官能的な芳しさに溺れてしまったら何も出来ない自堕落な人間になってしまうのも知っている

大ちゃんから充分な水分を貰って、オレが大ちゃんに注いで・・・

いつもの時間を取り戻そう

カーテンを開けてまともな世界へ出かけよう

そして・・・今度はオレがメールを打つよ





『すっごいエッチな栄養が欲しいなぁ・・・。 ちなみに無期限だからね、いつでもOK☆  大ちゃんのヒロ』










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二人だけじゃなく、ファンにもエッチな栄養頂戴よ♪
ねぇ? 

suika

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