月灯【2】






部屋の明かりを消してカーテンを開くとナイフのような月の灯が冷めた暗闇に鮮やかに浮かび上がる

オレはベッドの端に腰掛け飽く事なく窓の外を見た

わがままな恋人はさっきバスルームに消えた

『一緒に入ろうか?』 そんなオレの誘いはきっぱり断る

大胆なんだが恥ずかしがりなのか

そんな彼も可愛いと思える自分はかなりイッちゃってるかも


「月ってのは想像よりも明るいんだな」

今まで何度となく見上げていたモノを初めて見たように目に焼き付けた

一緒に観るはずだったミュージカルをやむない理由ですっぽかしてしまったオレに彼が願った事

『月灯の中でエッチしたい』


少し変わったセックスを求めているのだろうかと・・・

聞いた瞬間にオレはそう思い少しだけヘコむ

「マンネリかなぁ。それならそれで頑張るけどね」

すぐに浮上出来るのもオレの特技だと苦笑しベッドに寝転んだ


カチャリ


半分暗闇の中でまどろみ始めたオレはドアが開く音で覚醒した

「だいちゃ・・・ん」


月灯の中で彼は身に何も纏わず立っていた

そこだけ仄かに金色の光に包まれているかのようでオレは目が離せない

「ヒロ・・・そっち行って良い?」

「良いよ・・・おいで」

オレから歩み寄りたい気持ちを押さえ

彼が行動するのを待つ

「待って、大ちゃん」

「?」

ベッドの上にあがろうとする彼を止める

「スエット脱がしてからオレに跨って」

「・・・」

「オレはこのまんまでもいいんだけどさ」


彼がどう出るのか

オレは唇を湿らせた

ゆっくりとベッドに座るオレのスエットに手をかけ下着ごと剥ぎ取った

そして、月の灯に照らされ青白く見える彼の裸体がゆっくりとオレの上に跨る

触れ合う素肌と素肌が熱い

オレは小さな身体を抱き締め唇を貪るとそのまま舌を柔らかな頬に滑らした

「・・・する?」

「こんな体勢なのにしないつもり?」

2人見つめて笑いあう

頬から首筋へと舌が這わすと彼の喉が上下する

「あ・・・」

薄い胸を手の平で愛撫すると突起が引っ掛かった

「もう感じてるんだ」

「や・・・」

尚も突起した乳首を指の腹で押したり摘んだりすると

彼は目を閉じ甘い快感に耐える

そんな彼の痴態がオレの快感を呼び起こす

触れ合っている下半身の敏感な部分が次第に形を変え始めた


「ヒロ・・・触って・・・下・・・触って」

「下・・・どこ?」

「意地悪」

焦れたように自分の下半身をグイと押しつけて来た

「焦んないで・・・月は逃げないから」

「ヒロがいなくなってしまいそうで怖い」

「んな事ある訳無いじゃん」

はち切れんばかりに起ち上がり主張する彼の性器を握り締めた

「あぁ・・・ん」

快感に耐える彼が蜂蜜色の髪を振った

それが夜目にもきらめいて見える

薄く開いた唇に濃厚なキスをした

忍び込ませた舌で口腔を蹂躙しながら性器を扱く手の動きを早める

暗闇の中で感覚が高まるのは指や舌の動きや音だ

クチュクチュと粘着な音が耳を刺激する

「ヒ・・・出ちゃうよ」

「オレも出そう」

「ヒロの欲しいぃ!ボクの中でイッて・・・」

拡げた足の間に隠された秘部にオレの勃起した性器を自分で導いた

まだほぐしていないソコがオレの熱い猛りを待ち望むかのようにひくついている

「そんなにオレの事好き?」

ただ宛てがうだけで挿入しないオレに焦れたように涙を流しながら腰を上げる

「好き、好き、大好き!大好きだから入れて!」

「うん」

彼の腰を掴んで性器を押し入れる

オレ自身も彼の中を抉るように突き上げた

「あぁん!やっ!はあ・・・」

月灯の中の彼は美しく妖しくオレを誘う

堰が切れたように挿入を繰り返しながらオレも我を忘れた

「ヒロ!ボクだけをみてて!ボクだけを愛してて!ボクだけのヒロでいて!ああ!」

「大ちゃんだけのオレだよ、大ちゃんだけのモノだよ」

メビウスの輪のような問いと答えを繰り返し足下の無い世界をオレ達は生きている

「こんなに愛してるのに!死ぬほど好きなのに!」

貫かれながら苦しげに泣く彼をオレはどうしてもやることもできない


月の灯は儚い彼の涙をダイアモンドのように光らせた






★☆★☆★☆★ 終





実は続きがあったんですね(^^;)

久々にエロくしてみました。 どうですか?


            suica

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