Thank you Papa and mama marriageシリーズ】

 

 

・・・子供が目覚めて泣くのは生まれる前の孤独を知っているから

・・・いつも側に大好きな人が居て欲しいから

 

 

私は目を開けた・・・いつものように誰も側にはいてくれない

とりあえず声をだしてみよう

「あ〜〜〜ん」

当たり前だがこれくらいでは誰にも聴こえない

「あ〜〜ん、あ〜〜ん」

これだけ泣けば飛んで来てくれるかしら?

バンッ・・・扉が開いてリビングの灯りがベビーベッドまで届いた

「愛ちゃ〜〜〜〜ん、起きましたか〜〜」

ベッドの柵に手を付き、私を見下ろしているのはパパだった

ママは他の用事で忙しいのかも知れない

「愛ちゃ〜ん」

パパはもう蕩けそうな顔で私を見つめている

大きな手で私を抱きあげて、涙に濡れた頬をタオルで拭ってくれた

パパに抱かれてキッチンにいるママの所まで行くと、私を優しい顔で迎えてくれる

「今日はたくさんお昼寝出来たね。偉い、偉い・・・ほらっヒロも誉めてやって」

そう・・・私のパパは『ヒロ』ってみんなから呼ばれています

「そうなんだ。愛ちゃんは良い子だね」

パパは私とよく遊んでくれるの、今は頭に乗っけてもらって高い所から下を見るのが好き

顔がそっくりだね・・・て言われるのがパパはとっても嬉しいらしくてみんなに自慢してるけど

そんなに似ているのかしら? まだ自分の顔を鏡で見た事が無いからわからないよ

すると私もかなり可愛いのかしら??かな???

「女の子は父親に似ると幸せになるんだよ」 ってママは私に言います

どっちかって言うとママに似たかった・・なんて事は・・・パパには内緒にしておこうっと

「大ちゃん〜〜愛がテーブルの上のお菓子食べたがっているけど良いの?」

そう・・・私のママは『大ちゃん』ってみんなから呼ばれています

時々、私は思うのです

公園とかで遊んでいる子が「ママ」って呼んでいる人には身体に丸いモノがあったりする

パパやママの知り合いの人に抱っこされる時にも丸いモノがあったりする

あれは何だろう?ママには付いていないけれど・・・でも良いの

私のママはパパと私を心から『愛してくれる』から・・・あ・・・・これはパパの口癖なんだけどね

「もうすぐ夕飯だから食べさせないでね」

ママはちょっと・・・かなり・・・『シツケ』ってのには厳しいです

「ちょっとだけ・・・だってお腹減ってるみたいだってば〜〜」

パパは私にはメッチャ甘いです、ちょっと泣き声を出すと降参します

「ダメ!二人共我慢するの」

で・・・ママに二人共怒られるのです

 

ママが食べている時はパパに、パパが食べている時はママに抱かれて離乳食を食べます

あまり『美味しい』とは思えないけど・・・仕方ない

「沢山食べて大きくなってね」

「あまり早く大きくならなくても良いからね」

「ヒロってば・・・」

パパは私が手元から離れる事を考えると悲しいとよく私に言います

ずっとずっと先の事だと思うんだけど・・・・

「年頃になったら〃お父さんなんか嫌い〃て言うのかな? イヤだよ」

「ヒロ・・今からそんな先の事考えてどうするの?」

そうそう・・・あら? またママはパパのほっぺにチューーするんだから

いつでもどこでも、私の前でも二人は仲良くてチューーします

ジっと見ているとママが恥ずかしそうに教えてくれました

「パパが大好きだからチューーするんだよ、これは挨拶みたいなモノだからね」

「ダメだよ、大ちゃん! そんな事教えちゃ! 愛が誰にでキスする子になったらどうするの」

・・・失礼な! パパとは違うわよ

「そっか」

って、ママってばいつもパパに言いくるめられてしまうのは何故なのかな?

ママの方が色んな事を沢山知っている筈なのに不思議だわ

『シツケ』には厳しいママですが時々私を置いてお出掛けする時はとても淋しそうな顔をします

大丈夫だよ、ママ

結構パパと楽しくお留守番しているからね

パパは私の好きな歌をずっと歌ってくれたり、色々な所へ車で連れて行ってくれたりするの

パパの方が夢中になってて私はそんなパパを見ていて飽きない

心配しないでね・・・私がついているから

離乳食だけでは栄養が足りないから食事の片付けをママがしている時はパパが私にミルクを飲ませてくれます

リビングのソファに座ってパパに横抱きされて私の食事タイムです

「そんなに必死で飲まなくても良いのに」

なんて、今は余裕で飲ませていますが私がもっと小さかった頃は抱っこするのも怖々だったよね

〃落としちゃう〜〜〃って騒いでいたよね・・・

パパは無意識に歌を口ずさむんだけど

・・・耳元でロックって言うのを歌うのは止めて欲しいの・・・

「ふえ〜〜〜ん」

抗議の意味も込めてちょっと泣いてみました

「ヒロ、愛の耳元でクイーンの〃ボーン・トゥ・ラブユー〃を思いっきり歌うのはやめた方が良いよ」

「そう・・かな? 今、TVやラジオでバンバン流れてるから・・・つい・・・ごめんね」

パパの歌はとっても上手いから良いんだけどね

ミルクが喉を通って行かないような気がするの

でも、私はパパの声が大好きだからね

 

・・・・♪

「あれ? 今頃誰かな?」

ママに抱かれて背中をトントンされているとドアチャイムが鳴った

「あ・・オレ出るから」

パパがドアフォンを取って何か話している

「うん・・・すぐ開けるから待ってて」

すでにその顔が笑いを堪えているみたい

「ヒロ?誰だって?」

パパが玄関に消えてから、暫くして快活な足音を響かせてお客様が入ってきた

「何、その大荷物は?」

「あんたのじゃないわよ」

あぁ!あの声は・・・・

「愛ちゃ〜〜〜〜〜ん!」

部屋に入るなり大きな荷物を放り出してママから私を奪い取ったのは「アベちゃん」だった

パパとママの大事なお友達だそうで、私がパパとママの次に覚えた人だ

「元気だった? ちゃんと食べてる? ちゃんと寝てる? 寒くない?」

アベちゃんは私が可愛くて可愛くて仕方ないっていつも私に話しかける

ママの『お仕事』にくっついて『スタジオ』に行く時はアベちゃんがずっと私を見てくれる

「アベちゃんは3人目のおばあちゃんだよね」

って、パパが言ったら頭を殴られてたけど・・・確かにそうかもしれない

「元気って・・・一昨日も会ったじゃん。来週も会えるんじゃ?」

「うるさいわね・・・一日愛に会えないとストレス溜まるのよ。文句ある?」

「・・・・無駄だよ・・・ヒロ」

ママは苦笑しながら私を見ている

「愛ちゃんにお土産持って来ましたよ〜〜」

「アベちゃん・・・いつもいつもこんな沢山貰っていたら悪いから。 手ぶらで会いに来てくれれば良いんだってば」

「何言ってるのよ! 小さい頃から一流のブランド物を着せなくちゃダメなのよ!

 赤ちゃんの時にセンスが良いか悪いか決まるのよ・・・二人共センスはどうだか・・・」

アベちゃんはママに唯一暴言が吐ける人なのだ

誰よりも私にデレデレなのがアベちゃんだったりする

私が生まれる前のパパとママの事をずっと知っているから余計に私が可愛いのかもしれない

「愛を見ていると〃奇跡〃って本当にあるんだ〜〜って思うの」

 

「ありがとうね、アベちゃん」

「ちょっとヤダ〜〜何マジになってるのよ」

「この子は幸せだよ・・・少しだけ変な環境に生まれてしまったけれど・・・みんなに愛されているんだから」

 

 

・・・私はパパとママの子に生まれて凄く幸せだよ

・・・今はまだ言葉に出来ないけれど

・・・話せるようになったら最初に「パパ」と言おうか?

・・・「ママ」と言おうか?

・・・それとも「ありがとう」と言おうか

・・・愛はパパとママが大好きです

・・・ずっとずっと「愛」の側にいてね

 

 

 

*******************************************END

 

 

 

キリ番24000を踏まれたもか様に捧げます。

もか様のリクエスト通りになっているかどうかは???ですが(^_^;

赤ちゃんの心理描写は難しいです(ここで反省かよ)

でも無い頭を捻りました<(_ _)>・・・ヨロピク。

               suika   

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