Prestuplenie i nakazanie 4

 


誰が運命の歯車を狂わせているんだろう

相変わらず目まぐるしい毎日を送っていたある日、オレは事務所の社長に呼ばれた

・・・あぁ、もうすぐ契約更新の時期か

別々の事務所に所属しているオレと彼は『2年』の契約を結んで仕事をしていた

当たり前のようにそれは更新されるものだと思っていた

座った目の前の書類にサインをしようとした瞬間、社長が言った

「ヒロ・・・もう契約はしない、そう向こうの事務所にも伝えた」

「はぁ??」

思ってもいなかった展開に思わず大きな声が出てしまった

「・・・どう言う事ですか?契約しないって事はアクセスをやめろって事ですか?」

一字、一句、社長に確認するように言葉を選んで話す

・・・だって、3部作が2ケ月おきにCDリリースするのに

・・・年末には始めての東名阪のアリーナツアーも決まってるのに・・・

そのあとは?

「アクセスで活動している限り、ヒロが前に出る事は難しいと思うんだ。

どうかな・・・・・ソロでやってみないか?事務所としてはソロに力を入れてみたいんだがね」
「オレが前に出る事は、事務所にとってそんなに重要ですか?」

睨みつけるオレから目を逸らさずに社長は言葉を続ける

「もちろん  重要に決まってるじゃないか。いつまでアクセスをやって行くつもりなんだい?

アサクラさんの庇護の下にいつまでもいられるわけじゃないよ

どうだろ?  思う存分、ソロをやってみないか?」

・・・まだ2年じゃないか

・・・やっと彼と気持ちが通じ合ったと思ったのに

「オレはアクセスをやりたい!

ソロはアクセスをやりながらだって出来る筈だろ!

他のバンドだってそうしてるじゃないか!オレ抜きで勝手に決めるなよ!」

社長は書類を手に取ると二つに引き裂いた

「もう一度言う・・・今後、向こうと契約する気は無い」

「・・・・分かった。それじゃあもうこの事務所にいる必要は無いよ。

こんな形で辞めたくは無かったんだけど」

今、彼と離れる事なんて考えられない

向こうの事務所からそろそろこっちに来ないかと言う誘いもされていたし・・・

「そうか、残念だよ。でも分かっていると思うけど、ウチとヒロの契約が切れる訳じゃない。

やめるならそれなりのお金が動く事になるけど、君に払えるんだろうか?

それとも向こうの事務所に話して出してもらうのかな・・・?」

提示された金額を聞いてオレは絶句する

25歳の若造が簡単に払える金額じゃない

ケツに卵のカラをつけているヒヨっ子が事務所から飛び出して生きていけるほど、

この業界は甘くないだろう

でも、彼にすがる事は自分の中の青臭いプライドが邪魔をする


「さっき・・・向こうの事務所には伝えた・・・って言いましたよね?  何か・・・・」

「タカミくんに任せるって言われたよ。

 聞いた所によると、来年はアサクラくんもソロに力を入れるそうだし、

 何組かの新人や女性アイドルのプロデュースも決まってるそうじゃないか」

・・・彼が  ソロ?プロデュース? 聞いてない・・・

・・・やっぱりオレと離れたかったの?

来年早々にはユニットを組んでから初めての長い休みを貰える事になっている

オレは一度行ってみたかったジャマイカへ・・・彼はロンドンに行くと言っていた

・・・正反対だね・・・二人で行きたい所を教えあって笑い合ったのはホンの2日前だ

『彼』も『アクセス』もオレにとっては大事なのに・・・

「クソッ!!!」

力まかせに床に叩きつけた大理石の灰皿は・・・もう元には戻らない

 

「分かりました      アクセスはやめます」

 

そう言い捨てると後も見ずに部屋を出た

今すぐ彼に会って「さっきの話」が本当かどうか聞きたかった

 

 

携帯で彼の事務所まで電話をする

・・・早く携帯持ってよ・・・と言っても彼はなかなか持ちたがらなかった

・・・すぐに居場所が分かってしまうのは嫌だから・・・

分かってないなぁ、オレはいつでも君に逢いたいのに

「あ・・・アベちゃん、大ちゃんドコ?ってか、契約の話アベちゃんも知ってたんだろう?」

いつもなら機関銃のように話し出す彼女が黙っている

沈黙は肯定だね

『・・・ヒロに任せようって、私もダイスケもそう決めたのよ・・・』

「いきなり聞かされて決めろ!!って言われても・・・・オレは・・・」

『そうね・・・ゴメンナサイ。  今日はダイスケは自宅で仕事するからって出て来てないのよ。

 ・・・誰にも教えないでって言われたけどヒロなら良いわよね』

「分かった。 ありがとう」

携帯をバッグに突っ込んで車を彼のマンションまで走らせる

・・・まず彼の顔を見たら最初に何を聞こうかと思いを巡らせた


彼の部屋の前に立って少し乱暴なくらいにドアフォンを鳴らす

カチャ・・・

「あ・・・ヒロ。」

「ごめんね・・・連絡もしなくて。 入っても良い?」

「う、、うん」

どうしたんだろう?いつもと何かが・・・彼の態度の不自然さがオレを苛立たせる

「入るね」

「散らかってるから・・・片付ける間待ってて・・・・」

彼が遮る言葉も聞かずにオレは先にリビングに入った

別にオレ以外の誰かがソコにいたという訳ではない

でも、目に映ったテーブルの上に乱雑に置かれたそれは・・・

「ふ・・・ん、来年大ちゃんがプロデュースする人達の資料なんだ」

「・・・・・」

オレの目も見ずに散らばったソレを片づけ始めた

「聞いてるんだろう、こっちの事務所とそっちの事務所との話。

 うちの社長がもう契約はしないと言ったんだってね」

資料を持つ手が震えてる

「うん・・・」

「こっち向いてちゃんと言ってよ!大ちゃんはどうしたいの?!」

彼の細い腕を掴んで顔をこっちに無理矢理向けさせた  

きっと手首に痕が残ってしまったね

「社長が『アクセス』を続けさせる気が無い限りはオレはどうにも出来ない!!

 どんなに続けたくても!! 

 どうして大ちゃんの方で続けさせるからって言ってくれなかったの!」

「・・・本当にヒロはそう望んでるの?」

オレは彼の顔をマジマジと見つめる  何言ってるの??

「心のどこかで『ソロ』をやりたいって思っているんじゃないのかな??

 だって「アクセス」続けたいと思ったら社長さんを説き伏せる事がヒロなら出来ると思う」

「買い被らないでよ・・・オレはまだこの世界じゃヒヨっ子だぜ」

「ボクらではどうする事も出来ない事情が沢山あるんだよ」

 

彼の勝手な言い分に頭が考える事を止めてしまった

 

さっきの資料に写ってる笑顔の可愛いアイドルと目が合った

「・・・オレと離れたかったのは大ちゃんの方でしょ?

 ・・・ソロやるんだってね。あとプロデュースも」

掴んでいる腕を振り解こうと彼が力を入れた

逃がすわけ無いじゃん・・・

こんな時にでも身体が欲しくなるのは仕方の無い事だ

大ちゃんを軽々と抱き上げて寝室へ向かった

「ヒロ??何・・・?」

文句も言わせずにベッドに押し倒して唇を奪う

いつもの何枚も着ている衣装とは違い部屋着のままなので脱がせるのもわけはない

彼と結ばれてからこんな風に乱暴に奪うような事はしなくなった

壊れ物を包み込むように抱いてたのに・・・

肩からシャツを無理に剥ぎ取れば無残に飛び散るボタン

それをスローモーションのように見つめていた

ピンクに彩られた乳首を愛撫すればすぐにくぐもった声が聞こえる

「声出せば良いのに」

イヤだと彼は耐えるけれどそんなの大した抵抗にならない、

きっとすぐに快感を口にする筈だ

「あぁ・・・イヤ・・・」

胸から彼自身に愛撫が移ればもう耐える事なんて出来ないだろう

今は彼を優しく抱く自信が無いから

ズボンや下着を乱暴に脱がせるとオレを受け入れてくれる場所にいきなり指を突き刺す

 「うっっ」

辛いよね・・・ゴメンネ

短い愛撫じゃココが濡れないよね

でも、壊してしまいたいんだ

・・・どうしてソロの事、黙っていたの?

・・・「アクセス」ってナンだったの?

・・・オレにとって彼がなんだったのか?

引き抜いた指の代わりに自身を捻じ込む

泣く事も忘れてオレが与える振動に彼は揺すられているばかりで

結ばれた唇から甘い吐息が出される事は無かった

・・・こんなオレにあきれてるの

それでもオレは知りつくしている彼の弱い部分を執拗に責め続ける

今までに簡単に別れた女達とは比べ物にならないくらい気高い花を

この手で手折ってやりたい

もう二度と触れられないなら余計にオレ以上の「オトコ」はいなかったと彼の身体に刻みたい

 

多分・・・これが彼を抱く最後だから・・・ 

 

大きくグラインドさせて真奥を突き刺し物凄い快感に自分の頭の中がスパークして  

彼の中で果てた

お互いに息を整えオレが彼から抜けようとした時に彼がオレを抱きしめた

 

 「ヒロ・・・ごめんね  ヒロ   ヒロ   ヒロ   」

 

オレの名をそんなに愛し気に、そんなに切なそうに呼ばないで

もうこれで彼の口から呼ばれることはないのだから・・・・

そう言えば一度もオレは彼に告げていなかった

 

 『愛している』   オレは何も知らない子供だった

 

 

 

翌年、それは音楽番組の中で衝撃的に発表された  

 

『アクセスはこれからひとりひとりになってソロ活動をします』




   

 

***************************************END


 

 

終わりました〜〜〜〜(^^ゞ これまた何か途中じゃねーか!って言われそうですが。

「アクセス」が終わった理由も中途半端だし・・・でもこれは皆様の中でいろんな結論が出てるからさぁ・・(^_^;

再開した後の二人ってどう考えてもラブラブなんだもん・・・「ダークなヒロ」は消えちゃった((笑))

でも・・・何故かみなさまに好評だった「ダークヒロ」たん♪

また、いつかどこかで登場させるかも知れません(マジ?)

                                     suika

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