morning kiss





ベッドの中でまどろみながら、オレは隣にいるはずの人に手を伸ばす

すでに冷えてしまった窪みに、人が動き出している時間なのを知った

「・・・だよな」

オレはヨイショっと弾みを付けて脚触りの良いラグを踏みしめる



キッチンから美味しそうな香りが漂い、その小さな背中を抱きしめた

「good morning! 愛ちゃ〜ん」

chu!と、娘の髪にkissを落としてから、彼女からのkissを待つ

「あっ、ヒロ! 今は・・・」

大ちゃんが後ろを振り向いて叫んだ

「あららっ・・・」

世界一可愛いオレの娘が振り向いてくれた

が・・・娘の唇と言わず、掌と言わず、頬と言わず、甘くベタベタした感じがオレの顔中を襲う

「うわぁ」

「だから、食事している時はやめた方が良いって前から言ってるのに・・・もう」

苦笑しながらオレに説教しないでよ、大ちゃん

「今日はシロップがけのパンケーキだからね・・・大変な顔になってるよ、ヒロ。でも、愛のkissは甘いでしょ?」

あれ? 嫉妬ですか?

「そりゃあ、もう! 最高だよね」

そうなんだ・・・大ちゃんが呟く


「拭いてくれないの?」

後ろを向いている大ちゃんに、

・・・ほんの少し甘えてみた

「娘より手のかかるパパってどうなのかな?」

「良いじゃん、良いじゃん」

「しょうがないんだから。こっち来て」

濡らして固く絞ったタオルで顔を拭きかける大ちゃんに顔を近づける

「嘗めて」

「はい〜〜〜?」

「高いシロップなんだよね・・・勿体ないじゃん」

「・・・ヒロ」

舌がオレの頬に当たり、そっと嘗めあげる

ザラっとした感触が擽ったい

ゆっくりと彼の唇を自分の唇に感じた瞬間、オレは思った


オレの大切な人を改めて、みんなに紹介したいと・・・


「大ちゃん」

「ん? やっぱりシャワー浴びるでしょ?」


「結婚式しようか?」

「・・・冗談はやめてよ」

イスに座り込むママを娘が妙な顔で覗きこんだ

「この辺りでファンの子達にお披露目しない?

まぁ・・・本格的にやる訳には行かないから真似ごとだけどね」

「どうやって?! 出来る訳ないよ」

「例えば・・・ライブのラストに発表するとか

 お互いのファンクラブイベントをやるとか・・・まずは会員の人達にちゃんと言いたいよね」

「本当に? 本気?」

「ウソでこんな事言えないよ、大事な人だからちゃんと形にしたいって思うんだよね

 きっと、生まれて初めて真剣に考えてる」

大ちゃんが抱きついてきたのをオレは優しく抱き止めた

そう、こんな風に大ちゃんも愛もオレは守ってあげなくちゃならない

「良いよね? 真似ごとだけど、本気だよ」



8月の暑さに負けないくらいアツアツな所をみんなに見せつけてやろうよ

「パァ〜パァ〜」

愛がオレにまたkissしたがっている

しまった! kiss好きな女の子にはしたくなかったのに


「はい〜愛ちゃん」




みんな、ごめんね

娘にベタベタ、オロオロな姿だけは見せないよ





★★★★★★おしまい



いきなり書きたくなりました。
こんな感じどうすか(;^^)ゞ違う意味でloveloveじゃん

  
                  
suika
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送