Love is blind. 　【敏腕マネージャーの苦悩〜番外】【marriage4】

　

　

「ねぇ？アベちゃん　　キンピラゴボウの作り方知ってる？」

「・・・・・・・・・・いきなりね　　　　　エェ！ダイスケがお料理するの？！」

多少、驚く反応が遅くなってしまった

「外食ばっかりしてると思っていたわ」

「そうなんだけどね。たまにはヒロにちゃんとしたお料理食べさせてあげたいなぁ・・・って思って」

頬をピンクにして嬉しそうにダンナの話をするのね

「なぁ〜〜って。ヒロが食べたい！ってワガママ言ったんじゃあないでしょうね？これだから男ってヤツは。」

「違うよ。ボクがしてあげたいって思ったの」

「・・・・・・・・・・・・・そう」

聞くんじゃなかった　　　言うんじゃなかった　　　バカバカしい

「変われば変わるものよね・・・前は私がお料理の本見てて〃塩少々〃って書いてあるのを見て

　ボクは〃塩何ｇ〃って書いてないと絶対出来ない！って怒ってた人がね」

「で？キンピラゴボウは作れるの？作れないの？」

私だって女よ！それくらい何でもないわよ

ペンとメモをダイスケに持つように指示してから

「まず・・ゴボウをササガキにして・・・あらっ？千六本？拍子切り？」

「アベちゃん？？」

「しょう油と味醂・・・・砂糖？塩？！　　サ・シ・ス・セ・ソ・・・・あらっ？？」

ダイスケは静かにペンとメモを置いた

「ごめん・・・アベちゃんに聞いたのが間違いだった・・・・・」

ダイスケはテーブルの上の電話を手にした

「あ・・・お母さん？ボクだけど・・・あのね、キンピラゴボウと肉ジャガの作り方教えてくれる？レシピ書いてＦＡＸで送って。

　何？うん、２人共元気だよ。　　　やだな、そんな事言ってないよ・・・もう・・・じゃあお願いします」

電源を切った受話器にアカンベーをしている

「どうしたの？　お母さんに何か言われた？」

「心配性なんだから・・・『ヒロユキさんにワガママ言って困らせてない？』だって・・・。ボクがヒロに言う訳ないじゃんね」

・・・・かなり言ってる気がするんだけど？？

「ヒロのお母さんね。お料理が凄い上手だから、ボクのなんて食べてくれるかな？」

・・・・あの男はあんたが作ったものなら泥団子でも食べると思うけど　　と、心の中で呟いてみた

「それより・・・どうなの？」

人の結婚生活が気になるなんて・・・・それも男同士の・・・そんな自分がちょっと悲しい

「どうって？」

「一緒に生活してみて、今まで気ずかなかったヒロの意外な所とかあった？変なクセとか？？」

う・・・んと少し右側に首を傾げてダイスケが考えている

・・・付き合いが長い訳だから全部知ってるわよね　　　今更・・・かな？

「そうだ！あったよ」

アラッ！そうこなくちゃ！あんな変な奴だもの・・・ダイスケも嫌がるような所が無い筈が無い！！

「何？何？」

「ヒロってさぁ・・・前から優しかったんだけど。もっと優しいって分かった」

「ヘッ！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！」

ビックリマークが多くなってしまったのは許して下さい

　　　　　聞いた私がバカでした

「ホラッ・・・ボクの方が遅く帰る事があるでしょ？寝ているヒロを起こさないようにドアとか開けるんだけど

やっぱり音は立ってしまうから・・・。『ゴメンネ、起こしちゃって』って言うと『起こしてくれてありがとう』って言ってくれるの。

お買い物行っても荷物とかちゃんと持ってくれるし、お洗濯やお掃除もちゃんと手伝ってくれるし、

一番ビックリしたのがね・・遊びに行かなくなったの。ずっとボクの側にいてくれるんだよ・・・アベちゃん？聞いてる？」

あまりのバカップルぶりに驚いて固まってしまったわ

ピーーーーっと事務所のＦＡＸが「キンピラゴボウと肉ジャガのレシピ」をはき出した

「お母さん、こっちにも送ってくれたんだ・・・ありがとう」

「アベちゃん、ごめん。ボク今日はこれで帰るね。ヒロが帰ってくるまでに作らないと・・・じゃあね」

レシピを抱えた天才キーボーディスト＆プロデューサーは一人の新妻の顔になってスタジオから出て行った

　

　

・・・結婚を許した私がバカだったのかしら？

夫婦ユニットのマネージャー、アベは絶対「料理学校」に通ってダイスケより上手になる・・・と決心した

　

　

　

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊ＥＮＤ

　

　

　

他でダークなヒロを書いているので、ちょっとバカバカしいくらいのが書きたくなりました(笑)

被害者はもちろん、アベちゃんです(^_^;

私もお料理学校行きたいくらいだ・・・・（汗）

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　suika