このお話は、suicaさんがマニアックなご友人数名のみに
携帯で書き送ったものをまとめて掲載したものです。
メールそのままに載せてありますので臨場感をお楽しみください(笑)



「背徳」






夜の帳の中で二つの肢体が絡まり合う

「…ん…」

声を出すのを絶えていた白い肌の男が快感に耐えられず小さく呻いた

「声出さないの?」

褐色の肌の男が敏感な部分を己の雄で抉りながら聞く

「だめ…だって…」

白い素肌をピンクに染めてシーツの海を泳ぐ

「誰に遠慮してるの」

大きな掌を頬に滑らせ唇を探し当てる

「ジュン…」

「名前呼ばない約束だろ」

「何でダメなの?」

切れ長の瞼がゆっくりと開き黒い瞳が光を放つ

褐色の男はそれに吸い寄せられ口づけをした

「こんな事はやめようって何回も話し合ったのに…何で」

「オレが大ちゃんを裏切ったと思ってるんだ」

「ヒロだけじゃない、オレも同罪」

言いながら白い身体が震えた

その様がヒロユキの欲を刺激し穿った雄の抽挿を早めた

「ヒロ…ダメだ…やめ…」

「オレは大ちゃんもジュンも離さないから」




★★★★★★★01
すんません(^^;)
ヒロ×堀J書いちゃいまし。ジョークですから(汗)







情事の後のベタつく汗と体液をシャワーで洗い流しながら、ふと二の腕の内側に鮮やかな朱色を見つけた

「またこんなトコにキスマーク付けて…しばらく半袖着られないじゃん」

咎めるような物言いだが確かに唇には笑みが浮かぶ

ヒロユキとの事を手放しで人に言えないけれど、

それでも情熱をわけあった今だけは優しい気持ちになっても罰はあたらない気がする

火照る身体でバスルームから出るとヒロユキは裸のままベッドに寄りかかり電話をしていた

「わかった…じゃ、明日ね。大ちゃん、気をつけておいでよ」

その名を聞いた瞬間、絨毯を踏む足が止まった

多分この世で一番知られてはいけない人


ピッ

「何? なんでそこに突っ立ってるの? 大ちゃんからいつもの電話だよ

こっちに向かってる訳じゃないから心配しないで」

「ヒロ…もう部屋に戻って…」

「いいじゃん、着替えて一緒に食事行こうよ」

ヒロユキはベッドから降りるとジュンに近付いた

まだヒロユキの身体から立ち上ぼる男の匂いに抗う思考も狂ってゆく




★★★★★★★02
続くのかよ?!(^_^;何気に連載になってるぞ〜〜〜







「お疲れ様!」

「お疲れ様でぇす」

「良いライブだったね〜終わるのが勿体ないくらいだ」

「みんなのおかげです! ありがとう」

「東京の3つも頑張ろう」

口々に今夜のライブを褒めたたえ労をねぎらい残りのライブへの士気を高める

「堀J、今夜もカッコいいプレイありがとう」

「いやいや、大ちゃんも凄かったよ」

ダイスケに求められ握手を交わすジュン

そこには何の蟠りも無い

「おっ!? 何? 堀Jだけ特別扱い?」

「何ゆってんの! シーちゃん! お疲れ様でした、ありがとう」

ダイスケと付き合いが古く今いるスタッフの中でも一番に苦楽を共にしたタケヒトがダイスケと握手を交わす

ジュンにとっても信頼する先輩だ

「カッコ良かったよ! ジブ」

その後ろから顔を出したドラムのジブにも手を差し出して感謝を表す

「あ…ボクちょっと」

ダイスケは一人の楽屋よりサポートメンバーと同じ空間を好むがフッと姿を隠す時はヒロユキの楽屋に行くと暗黙の了解

ついと席を立ち数メートルしか離れていない彼のもとに歩いて行く小柄な後ろ姿をジュンは鏡越しに見つめた




★★★★★★★03
うわぁ!これ書いてると楽しくて仕方ないや(^^;)←ドS
耐える堀Jってそそるわ(女が使う言葉かよ)








「ダイスケ、早く!早く!」

女性マネージャーがヒロユキの楽屋から出て来たダイスケを掴まえた

「何?」

「写真撮ってサイトに載せるわよ」

ダイスケが楽屋に入るなり各自が様々なポーズをつける

ジュンは自然とダイスケと並ぶ形になった

「堀Jピース!」

「テンション高いわ大ちゃん」

ジュンは笑いながら両手でピースを作ってカメラに向かう

「あ…」

ダイスケの体から仄かに立ち上ぼる香りはヒロユキのものだ

ライブで密着していたのだから香りが移ったのかもしれない

ジュンにだって移っているはずだ

でも、それはあまりにもキツくて心が平静でいられないほど生々しい

ヒロユキの楽屋に消えるダイスケの背中が思い出される

ふと、ダイスケの首筋に紅く痕を見つけてジュンは俯いた

「堀J! 顔上げて…はい、写します」

写真に映った自分がどんな表情なのか知りたくもなかった

冷めて行く感情の隙間から一筋だけ熱いモノが込みあがる

その正体が嫉妬だとジュンは認めたくはなかった




★★★★★★★04
嫉妬だよ!嫉妬だよ!嫉妬だよ!←うるさい(^^;)
自分の気持ちに気付こうぜ!








次のライブを3日後に控えて休んでいたジュンの携帯が鳴った

着信の表示画面の名前はヒロユキだった

「……」

ためらいがちに通話ボタンを押す

「はい、もしもし」

「あ! オレだけどさ〜堀J大丈夫? この前のライブ後元気なかったから」

紅い痕をダイスケの首筋に見つけた後、ジュンは一言も話さなかった

でも、そんな事は大したことじゃない

それをサラッと言ってのける彼が憎らしい

「どっか痛めたのかなって…ずっと心配だった」

「何でもないよ。まぁ年齢が年齢だから無理は仕方ないかなぁ」

少し卑下して無理やりに笑おうとした

「何言ってんの。全然可愛いじゃん」

可愛い…あの人にもよく言うよね

そう喉まで出かけた

「こんな時間に珍しいね」

「今、舞台稽古の帰りでさ。出て来ない? 食事しようよ」

あぁ…そんな簡単に言わないで欲しい

誘われてすぐに返事が出来る訳が無いんだから

「それは…他の人を誘った方が良いんじゃないかな」

「……ジュン、都合悪いならそう言ってよ。何でそんな遠回しな言い方するのさ」

ヒロユキのいつも優しい口調に刺が含まれた

「大ちゃんを誘えって言ってんだよ。オレじゃないだろ」

想いと裏腹な言葉を口にする度に心が傷ついていく




★★★★★★★05







「……ジュンはそんなに大ちゃんの事気にしてるんだ」

ヒロユキの意外そうな口振りにジュンの方が驚いた

「当たり前だろ! こんな事になっちゃって…ヒロは何とも思わないの?」

受話器の向こうが静かになる

「オレは大ちゃんを尊敬してるし、大事に思ってるよ」

そんな都合の良い話を真実だと思えるほどジュンは若くはない

「…だったらオレとは別れよう」

ずっと言いたくて、でもずっと言えなかった言葉

遊びだと割り切るにはヒロユキと深く繋り過ぎた気がする

「ジュンが本当にそうしたいなら…仕方ないね。でもさライブはちゃんとやろう

 ファンの子にはオレ達のこういうの関係ないからさ」

「うん、もちろん」

そう答えながら頬を温かいモノが伝わる感触に気付く

…別れたくない

涙が顎から滴るたびにヒロユキへの想いが募ってゆく

携帯を閉じるとジュンはその場に座り込んだ




★★★★★★★06
堀Jが可哀想よ(T_T)二股したって関係ないぜ!←をい?







獲物を狙うようなまなざしでヒロユキが近付いて来る

ジュンはベースを弾きながらおののいた

…ファンが喜ぶなら何でもアリ

そんな異様な感覚に囚われるのがライブの世界だ

3日前に別れ話をしたヒロユキと同じステージに立ち昂揚した気持ちを共有している

普通なら顔など見たくも無いのに煌々とした明かりの中の彼はたとえようもなく素敵だ

例え、ヒロユキの隣りにダイスケがいるとしても…

ジュンは見惚れずにいられない

ふと、ヒロユキと目が合う

…こっちに来るな!

心で叫んでもヒロユキは楽しそうに歩みを止めない

すぐにダイスケのキーボードソロが始まりピンスポットが当たる

薄暗闇の中にヒロユキを感じた瞬間強い力で腰を抱かれた

「あっ…」

どんなに動揺しても演奏だけは乱したくないと、なけなしのプロ意識だけがジュンの支えだった

一段高い場所にいるダイスケをステージにいるメンバーとファンが煽り続ける

最後の音が会場を突き抜けたと同時に明かりが消えた

ヒロユキは立ち去り際にジュンの耳に囁き髪に口づけをした

『会いたかった』

その一言が耳の中で繰り返される

「ズルイよ」

触れられた身体から想いが溢れだす




★★★★★★★07
そーだ、そーだ、ズルイぞ!ヒロ!!!(^^;)をいをい







「大ちゃんは幸せ?」

胸元に赤子のように顔を埋めて眠るダイスケにヒロユキは聞くとは無く尋ねてみた

「幸せだよ」

ダイスケはそっと目を開けた

「起きてたの?」

「うん、ヒロの鼓動聞いてた」

ヒロユキを上目遣いで仰ぎ見る

「凄い幸せだよ。だって…いつもヒロが隣りに居てくれるもん。

 楽しい事があったら次の日はヒロにどう話そう〜って思うくらい…そう言うのがすっごい幸せ」

「…そっか。うん、ありがとう」

「でも…急にどした?」

ダイスケの細い腕が伸びてヒロユキの頬に触れた

「舞台稽古大変? 疲れてる?」

ダイスケの手に自分の手を重ね繋ぎ合う

「全然大丈夫 毎日楽しいよ」

「楽しすぎてボク以外の人と会う時間が無い?」

「大ちゃん?!」

「最近、香水つけないから…」

「香水?」

「香水つけないのって誰かの香りが移るほど近付きませんって言う証明みたいなモンかなぁ〜ボクの勝手な思い込みだけどね」

ヒロユキは何も答えずダイスケを抱き寄せた


…気付いてるの?




★★★★★★★08
大ちゃんは凄いんです(^_^)v







「そうだ…あのさ」

「うん…何?」

ずるずるとベッドの中で惰眠を貪っていた2人がやっと着替え始める

ダイスケはクローゼットを覗き込み洋服を選びながら思い付いたようにヒロユキに告げた

「堀Jがね…」

「えっ!?」

ガンッ

「痛って〜〜〜〜」

シャツに袖を通そうとして壁に腕をしたたかに打ち付けたヒロユキはベッドに倒れこんだ

「何やってんの?」

「いや…そのさ…痛い」

痛がるヒロユキをダイスケは愉快そうに見下ろす

「で…堀Jがどうしたって?」

「大丈夫? あのね…夏のイベントに参加出来ないって向こうの事務所から言ってきたんだよ」

「え?!」

ヒロユキは痛む腕を擦っていた腕を止めた

「でもさ…スケジュールが塞がってたんじゃないの?」

「う〜〜ん。アベちゃんが確認したら事務所は空けてくれてるらしいんだけど堀Jがね…」

「そうなんだ…また仲良くやれると思ってたのに残念だね」

自分のせいかもしれないとヒロユキは思った

「でさ、でさ。堀Jを説得しようと思ってね

 今日スタジオに来て貰うよう連絡したんだ。直接、彼の気持ちを聞きたいじゃん

 時間あったらヒロも来てよ。一緒に堀Jを説得しよう。ねっ?」

ダイスケが屈託ない笑顔を見せた




★★★★★★★09

小悪魔だよ…大ちゃん_| ̄|●







さっきからジュンは中に入るかどうか戸惑っていた

ダイスケから事務所に来て欲しいと連絡があってから言い訳ばかりを考えている

ドアを開けかけては離し、閉じかけてはためらう

ヒロユキの事の後ろめたさを含めダイスケとは顔を合わせられないと思った

「何でそこだけスケジュール空いてんのやろ…あかんな」

バタン

後ろで車のドアが閉まる音がして反射的に振りかえる

「あ…」

「あ…」

紫のニット帽を被り濃いサングラスをかけたヒロユキが降りて来た

「どうも。お疲れ様です」

儀礼的な挨拶を交わしながら顔は引きつってないだろうかとジュンはスチールのドアを横目で見た

そこに平たくて無機質でぼんやりとしている自分がいた

「お疲れ様…久しぶりだね」

一歩近付かれジュンは一歩後退さった

「そんな警戒しないでよ…夏のイベントの事聞いたよ」

「今日大ちゃんに呼ばれたのは多分その事だよね」

「…それで、中に入るの躊躇してるんだ」

いきなりヒロユキは携帯を取り出し電話を掛け始めた

「あ…オレ、ヒロ。大ちゃんいる?…うん…うん。そっか…じゃあ、少し時間潰して来るね…よろしく」

ピッ

「大ちゃん、まだ帰って無いってさ………お茶しに行こう」

いきなり腕を掴んで歩き出したヒロユキにジュンは逆らえなかった




★★★★★★★10
大ちゃんとヒロに翻弄される堀J(*^_^*)
そそられる〜〜〜〜〜〜〜〜(叫)←間違ってるかな(-_-)








あきらめる為にはどれだけの時間と精神力が必要なんだろう

会わない時間を持てばそれなりに忘れられるだろう

なのに…

こんな頻繁に会えてしまうと気持ちの整理がなかなか出来ない

ヒロユキに連れて来られたのはスタジオに近いオシャレなカフェだった

「少し痩せた?」

長い沈黙を嫌うようにヒロユキが口を開いた

「まさか…その反対やねん。 大阪や名古屋で美味いもんたくさん食べたからウエストとかパンパンやで」

笑いながらカランと目の前のアイスティーの氷をストローで突っ突いた

しかし、ジャケットの袖から覗く白く細い手首がヒロユキの目には痛々しく映った

「もうすぐ舞台やね…稽古大変なん?」

「うん。大変なんてもんじゃないよ。身体とか傷だらけだもん」

「そうなんや」

「舞台観に来てくれるんだよね」

来て欲しいとヒロユキは願った

「うん…時間があったら観に行くよ」

友達としての座

それは望めば手に入る。ただ、それに甘えるのが怖い

「夏のイベントさ…参加したくないのはオレのせい?」

ハッとジュンが顔を上げた

「違う…違うよ」

その頃のスケジュールが空いているのはヒロユキも知ってるはずだ

安易な言い訳は通じない

俯いているジュンの睫毛が切なげに震える

ヒロユキは不意にジュンを抱き締めたくなった




★★★★★★★11
この〜〜〜気が多い男!ヒロ!!!!
でも、私も堀Jなら抱き締めたい(^^;)








結局、説得出来ないままヒロユキとジュンはカフェを出た

「先に行ってくれん…二人一緒に大ちゃんのスタジオに行く訳にはいかんやろ」

「わかった」

歩き出すヒロユキの背中を見ているとジュンはもうどうなってもいいと思える

このまま小走りで追付き『なんで一人で行くん?』って、人目など気にせずに背中に縋りつきたい

理性がそれをぎりぎりのラインで押し止める

噛み締めた唇が真っ赤になるくらい必死にジュンの瞳はヒロユキから離れない

ヒロユキも理性と闘っていた

店を出ようとして入って来た客と擦れ違う時、必然的にジュンの身体がヒロユキの方に傾いた

瞬間、仄かに香るシトラスと白いうなじが胸をざわつかせた

『どうして2人を同時に愛してはいけないんだろう』

ヒロユキは呟きながらスタジオのドアを開けた

「ヒロ、おはよう」

「大ちゃん…は、早かったね」

「電話くれたんだって? アベちゃんから聞いたよ。遅くなってゴメンね」

「そこで時間潰してたから大丈夫だよ」

「一人で?」

「…………堀Jと一緒だった」

「そう」

ダイスケは静かに微笑んだ




★★★★★★★12
さあ!このトライアングルはどうなる!!!!(知らない(^^;))







ダイスケの隣りにヒロユキが座り、ヒロユキの向かい側にジュンが座る

それが今の3人の関係を表しているようだとそれぞれが思っていた

「………で、堀J。イベント出てくれるよね?」

「わかった…わがまま言うてゴメンな」

ううんとダイスケは首を振った

「色んな理由はあると思うんだ。でも、堀Jがいないとaccessじゃない気がして」

「ありがとう、大ちゃん」

この優しくて温厚な天才ミュージシャンをジュンは心から尊敬していた

だからこそ…

「良かったね、ヒロ」

ダイスケの熱い視線がヒロユキに注がれていて確かに愛が存在していた

「それともスタジオに来る前にヒロが説得してくれたのかな?」

「大ちゃん…あのさ」

耐えられずヒロユキが口を開いた

「そう言う遠回しに探るのはやめようよ」

「探る? ボクが何を知りたがってるって言うの?」

温和な笑顔がひきつる

「ヒロ、やめ…」

ジュンの言葉にダイスケの小さい呟きが重なった

「ボクの知らない所で2人が会っているなんて…認めたくない」




★★★★★★★13
修羅場になるのか?!ならないのか?!
どんなラストになってもOKだぜ!と言う人だけ付いて来い!!!!!!(付いて来て下さい(^^;))








甘い嫉妬と苦い嫉妬があるとすれば、今のダイスケが味わっているのは苦い嫉妬だろう

舐めても飲み干しても内臓まで黒く染め痛みさえ伴う

ヒロユキとジュンが互いに好意がある事は薄々気付いていた

初めは戯れていたのが、次第に視線が絡みあい、ライブでは高揚感に任せ親密になって行った

ダイスケは戸惑いながら見ない振りをしてきた

ヒロユキは自分を愛していると言い聞かせた…余所見くらいは誰だってするものだからと


「何の事か分からないよ」

ヒロユキの言葉が空を彷徨う

ダイスケは微動だにしない

一度、疑ってしまえば隠していても真実はすぐに口を開ける

そろいの香水

そろいの指輪

そろいのブランド

それぞれの相手とそろいの指輪をヒロユキがしていた時はあきれるより可哀相になった

「堀Jの事…好き?」

自分の事を好きかと今まで何回、何百回聞いただろう

ヒロユキはその度に照れながら答えてくれた

聞かれたヒロユキよりジュンの方が目を丸くしてダイスケを見つめた

「そんな…あかん…」




★★★★★★★14
大ちゃんも辛いのね(-_-;)
でも、本当の事が知りたいんだね
ヒロが悪者扱いだな(苦笑)








幼い頃から家族や友人から愛されて、とても素直な性格に育った

そして思いの他、カッコ良い大人になり付き合う相手には事欠かなかった

素直な性格は恋愛にも反映されていて、好きになると隠さずに付き合う

気持ちが離れれば別れる

それだけの事なのに

ジュンに奪われるかもと恐れるダイスケが…ダイスケの影に常に怯えていたジュンを…

ヒロユキは不思議だった


「堀Jの事…好き?」

ダイスケに聞かれて、最初に浮かんだ疑問を言葉にする

「大ちゃんは堀Jだから悔しいの? 相手が女性だと何も言わないのはあきらめてるから?」

多分、それは酷い言葉なのだが素直なヒロユキには分からない

「自分は博愛主義だって言いたいの? それとも逆ギレ?」

「博愛主義ではあると思うけど…」

思わぬ反撃にダイスケはあきれた

しかし、今までヒロユキを取り巻く女性に対しては半ば見て見ぬ振りをしていたのは事実

自分が男である以上、女に嫉妬しても虚しいだけだ

相手が友人であり、仕事仲間であるジュンだから悔しいのかと問われれば否定は出来ない

「オレは大ちゃんもジュンも好きだ」

ヒロユキは素直なだけだ




★★★★★★★15
素直もバカがつくとどうにもならないよねヾ(^_^;)







好きと言われてダイスケもジュンも面映ゆい気分だ

ヒロユキの性格を知っているだけに本当の気持ちなのだろう

「でも…」

何かを言いかけたヒロユキにジュンの笑顔が消えた

「でも…大ちゃんとはこの先何があっても別れる事は無いと思う。大ちゃんは違うんだ

 “運命”みたいなモンで結ばれてるんだよねごめん、ジュン」

嫌いとか言われた方がどれだけショックが少なかっただろう

“運命”なんて形の無いモノに抗えるわけがない

「こう見えてオレは凄い欲張りなんや

 ヒロを独り占めできひんのやったら好きとか言われても信じられん。

 それにヒロが言う“運命”の中にオレは入ってへんのやろ」

ジュンは綺麗な切れ長の瞳をホンの少し潤ませた

「ごめんな大ちゃん…ステージはちゃんとやるから」

自分の荷物を鷲掴みしてジュンは部屋を出た

…これで本当に忘れられる

泣き顔を見られないように走って事務所を出た

5月の爽やかな風に髪を撫でられて

ふと、こんなふうにヒロユキが優しく愛撫してくれたのを思い出した




★★★★★★★16
あぁ…泣き顔の堀Jを抱き締めたい(私がね(^^;))
ラストが近付いてまいりました←本当かよ








「何であんな事言ったの?」

ジュンが走り去ったドアを見つめているヒロユキの背中にダイスケは問い掛けた

「だって本当の事だもん。オレには大ちゃんだけだよ」

振り返ったヒロユキはダイスケに抱き付いた

「堀Jの為でしょ」

「ジュンが彼女と別れたのは、オレのせいなんだよ

 今なら…まだ遅くない前みたいなジュンに戻れる気がする」

好きでも別れる時はある

それを、どっちが悪いと決め付ける事は出来ない

「大ちゃんも傷付けちゃった…ごめん」

「ボクは良いから」


愛と言う感情に振り回され支配されて人間は生を繰り返す

傷付けるとは思わずにまた人を愛する


「今夜、ボクの部屋来る?」

「そうだね〜ワンコたちにも会いたいし」

「ヒロ? それ本気で言ってる?」

「…嘘吐いてすいません」

メッと睨まれてヒロユキはダイスケを抱き締めた


「大ちゃんだけだよ」




*********




甘い香りが仄かに薫る部屋の中で二つの肢体が蠢く

「やっ…」

ヒロユキの長い指が柔らかな尻の曲線を辿り密やかな真奥へと滑り込んだ

「ダメだって…やめ…よ」

「何で? ココはオレを欲しがってるじゃん…ねっ…」

「名前は呼ばないで」

少し苦しげな息でヒロユキの言葉を遮る

「まだ…彼に遠慮してるんだ」

秘部を蹂躙しながらヒロユキは薄く笑った

「いやだ…いやだ…あんっ」

「彼は何にも知らないよ」

「嘘だ! あの人は勘が良いからきっと…」

ヒロユキは猛る己自身を秘部に押し当て一気に貫いた

「あうっ…! やん! ヒロ」

快感に細い身体が震えた


「彼はオレを信じてるから」



背徳は蜜の味


甘く妖しく2人の身体に溶けてゆく




★★★★★★★17(終)




最後にヒロと絡んでいるのは
大ちゃんなのか?
堀Jなのか?
または……

さぁて、こんな終わり方どっすか?(^^;)
堀Jを絶賛する為に書いたお話でした♪←をい(^^;)

suica
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送