*blue Ocean*






彼は何が欲しいんだろ・・・?




数日前からずっと気にしている事がある

まじかに迫った彼のバースデーに何をあげたら良いのだろうと・・・・・・

ダイスケはずっと迷ってた

仕事の期日も迫っていると言うのに何となく手に着かなくて困る

多分、もっと困るのは回りの人間なのだが



「やっぱ、聞くのが一番かなぁ」

ダイスケは決心した




「チィース」

車のキーをチャラチャラさせながらヒロユキはダイスケの事務所に入って来た

「おはよう」


「あれ?まだ眠そうだね。オレが仕事増やしちゃったからなぁ、ごめん、無理させてるよね」


久しぶりに行われる自分のファンイベントで歌う曲のアレンジをヒロユキはダイスケに依頼した


「ううん、全然大丈夫。でも・・・元のイメージ台無しにしてないと良いけど」


「なぁに言ってんの、オレが大ちゃんアレンジで歌いたいって思ったんだから」


それでも、表情が冴えないダイスケにヒロユキは近付いた


「だ〜い〜ち〜ゃ〜ん?何か心配あるでしょ?」


椅子に凭れかかりダイスケの顔を覗きこんだ


「悩んでると口数がうんと減るからすぐにわかるよ。 何?オレじゃ相談出来ない?」


「うーん、そうじゃないけどさ・・・つうか、ヒロしか相談出来ない事かな」


ダイスケがヒロユキの耳に口をよせた


「大ちゃん・・・キスならここじゃヤバいよ」


「違うから!もう!・・・あのさ・・・もうすぐ誕生日だよね」


耳まで真っ赤にさせてダイスケは小声で聞いた


「そうだよ・・・」


「ヒロ、何が欲しいかなぁって」


「ん?えぇ!それを聞く?普通プレゼントってサプライズだよね?だよね? あーあーそれを聞いちゃうか」


落胆気味なヒロユキにダイスケが焦る


「違っ!洋服とかアクセサリーとか沢山持ってるから・・・今更何をあげたら喜ぶのか分からなくてさ、こう言うのって悩むんだよ」


「だからって直接聞かなくてもね・・・・・車!」


「・・・・・・言うと思った」


ダイスケは苦笑した


「本当に欲しい?」


毎年と言って良いくらいヒロユキからせがまれていた車を買っても良いとダイスケは思っていた


高価ではあるけれどヒロユキの為なら惜しくはない


それに、自分のモノも同じだ




「あのさ・・・大ちゃん、ハワイどうする?」


「ん?!」


いきなり話を逸らされてダイスケは向い側に座るヒロユキを見た


10月にアクセスのファンイベントでハワイに行く事が決まっている

その事を言ってるのだろうか


「どうするって言われても・・・その前にライブあるし、ヒロの舞台もあるからね、追々決めて行こうよ」


「オレが言ってるのはファンの皆が帰国した後の事! 一週間ハワイでゆったり出来るじゃん

 ね〜いっそさ、オアフ、ハワイ、マウイ、カウアイ全部行こうよ」


「全部?良いけど・・・コーディネーターが大変そうだね」


プレゼントの事で悩まなくなり、やっとダイスケは本業に取り掛かった


やらなければならない作品が我先にとパソコンの中にひしめきあっていて、まだ休暇の事は考えられない


「向こうにオレの友達いるから頼めばやってくれるし。 ねっ〜大ちゃん〜行こうよ」


「まぁね」


ダイスケの空返事にヒロユキは少しイラついた


「オレらがファンと楽しんでる間にアベちゃんと新ちゃんはハネムーン気分だって」


「あぁ、らしいね。向うでも純白のドレス着るって張り切ってた。ハワイで挙式が夢だったんだって」


「2人だけ楽しんでるのって、大ちゃんは悔しくないの?」


数日前にパーマをかけたヒロユキのくるんとした前髪が焦れたようにダイスケの肩に触れた


背中から抱き締められて溜息が伝わる


「な〜に〜甘えてんの?」


「だってさ・・・オレ達もラブラブしたいじゃん・・・でしょ?」


「するよ」


「ん?」


ヒロユキの腕の中でダイスケは身体を真正面を向けた


「ラブラブするに決まってる。ヒロと海外行くの久しぶりだもん

こう見えて頭ん中は楽しくて仕方ないんだよ・・・何で分からないの」


少し戸惑い気味のヒロユキに笑いかけて前髪を軽く引っ張るとヒロユキの唇にキスをした




何でも許してくれる君・・・

何でも分かってくれる君・・・

何でも楽しんでくれる君・・・




ヒロユキは不意に泣きそうになる


「大ちゃん・・・プレゼントの受付まだ有効?」


「?車以外に欲しいものあるの? まさか、マンション買えとか言わないよね」


「・・・・・・・アサクラダイスケと言う人の仕事とワンコ達と過ごす以外の人生全部の時間をオレにください」


「へっ?!」


瞬間、ダイスケの思考回路が停止して何を言われたのか理解出来なかった


「えっと…それって…ヒロ、冗談にしても凄い事言うね」


「何で…オレ真剣だよ!」


「だって、それだとヒロの人生全部の時間もボクに預ける事になるけど・・・それでも良いの?」


「????あぁ!なるほど・・・あのさ・・・


お酒飲んだり友達やおねいちゃんと遊んだりする時間は抜いてイイ? だったら、オレの残りの時間全部大ちゃんにあげる」


「やだ!・・・・って言ったら?」


「おねいちゃんとは遊びません・・・・これなら?」


「誕生日までに考えとくよ。さっ、仕事しよ」


「それとさ…この前の返事は?それも考え中?」


「ヒロ、仕事の邪魔しないの〜」


まだ背中に引っ付いたままのヒロユキに苦笑する


もうプレゼントで悩む事は無さそうだと思った




ハワイの鮮やかな青い空と海をバックにプロポーズしてくれたら

すぐにOKするって誰か彼に教えてあげてくれないかな・・・








☆☆☆☆☆☆ 終 ☆☆☆☆☆☆







ヒロのお誕生日の話を書こうとしたのに、何故かハワイの話が中心になっちまいました(^^;)
とりあえず「ヒロ40歳おめでとう」

どなたかハワイイベ行かれる方レポなどこっそり頂きたいです
それをネタに書いちゃったりしますから←なんて人任せな(^^;)
どわって行かないんだもん( ´・ω・`)σ"の"


suica




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