***** betray me *****  

 

 

 

なんだろう・・・・・・・・・・?

今日は初めから気になっていた

彼女をベッドに倒した時に首筋からほのかな香りが・・・

香水は嫌いじゃないし性欲を刺激される事もしばしばある

女性の数だけ香りはあるのだから今日の彼女の香りだけ特別な意味は無い筈だ

 

 

ベッドサイドの灯りの中で彼女のしなやかな肢体に浮かぶ汗が光るのが分かる

細い身体には不似合いな肉感的な腰付きがオレの欲望を飲み込む

「あん・・・もっと・・・」

大きく開いた足の間に身体を押し付け密着した腰が卑猥な動きを繰り返す

これも不似合いな大きな胸が動きにつられて揺れる

快感の波に飲み込まれそうになりながらも頭の隅が妙に冷静になっている自分を感じた

・・・脱ぐとこんなに大きいバストしてるのか、着痩せするんだな・・・

グッ

「あぁ!!」

無意識に髪を振り乱して快感に耐える姿は男の欲をそそる計算にしか見えない

捩じ込まれる自分の猛るモノに絡みつく女のソコが熱い

男の身体は単純だから喘ぎ声と白い肌と上を向いた豊かな胸があればイッてしまえる

「・・・!」

一度射精したモノを彼女は抜かせてはくれない

避妊具をつけているけれど何度も出したらそれは役にたたないんじゃないか?

「まだ・・・いいでしょ?・・・・」

自分から身体を起こしてオレの膝に乗るような体位をする

裡に入ったままのオレが寄り深く彼女の感じる場所を突いたようで低く呻いて顔を歪ませた

少し息を整えてからオレの顔を見つめる

彼女はとても綺麗で魅力的・・・おまけに身体の感度も最高だ

「素敵だわ」

興奮しながらも男を誉めるテクは忘れない最高の女だ

オレは何も答えずに目の前でたわわに揺れる胸の突起にムシャぶりついた

「くすぐったい・・・」

嘗め舐って固くなった突起に舌を這わせ、片方の開いている手は乳房を少し乱暴に揉みしだく

その柔らかな感触に男はいつもあこがれて懐かしむ

彼女も再び最高に登りつめようと目を閉じて行為に没頭する

オレを咥え込んだままの腰を自分から動かし続けている

「あん!・・・もっと!・・・もっと頂戴・・・」

快感に素直な彼女が髪を振り乱した

・・・ほらっ・・・またこの香り

どこかできっと強くこの香りに惹き付けられた事があるはずなんだ

オレは彼女の身体ではなくラストノートに変わりつつある香りの向こうにある何かに向かって射精した

スッと彼女の白くて長い指がオレの顔に近づきその綺麗な顔まで引き寄せられて口づけされる

赤いマニュキュアだけが鮮やかに残像として瞼の裏に焼き付けられた

・・・・今日の彼女はどんな顔をしていたんだろう

 

 

オレはまだベッドの中にいる

彼女はすでにシャワーを浴びバスローブに着替えて濡れた髪を乾かしていた

「昨日の会議で貴方達の次のシングル曲を来月の一押しにするように提案しておいたから」

「ホント?すっげえ嬉しいよ、ありがとう」

別に大して嬉しくない・・・とは目の前の敏腕女性プロデュサーには口が腐っても言えない

デビューしてたくさんのTVやラジオの番組に売り込みに行った

オレのパートナーはすでにこの業界で知られていたから、どんなMCとでもすんなり打ち解けた

主に彼が話せばすべて事足りてしまうのでオレは無口だとみんなに思われていただろう

あるラジオ番組に出演した時に彼女に声を掛けられた

聞けば人気番組をたくさん抱えている業界では有名な美人プロデュサーらしかった

やり手にありがちな悪口も多い

・・・・仕事も早いけど気に入った新人に手を付けるのも早い

・・・・凄いやり手で尚且つ男を咥え込むのも凄いらしい

そんな噂に彼女は一瞥もくれずに言う

「出来ない人間ほど噂好きなのよ・・・くだらない」

電話番号聞くとかじゃなくて、すぐに酒の席に誘われた

スタッフからは「やめた方がいいよ」と心配されたけど

オレは別に何とも思わない

売れる為なら身体を売るくらい当たり前な業界だから、それに女の子じゃないんだし傷付かない

唯一つ・・・・

オレが彼女の車に乗り込むときに見たパートナーの哀しい瞳の色だけが心に焼き付いて離れない

 

髪を乾かし終えた彼女は化粧を始めた

「もう帰るの・・・? 泊まらないの?」

まだ幼さの残る上目使いをして甘さたっぷりの声で彼女に聞いてみる

「・・・甘えん坊ね。まだ仕事があるのよ。 部屋代は払っておくからあなたは泊まって行けばいいわ」

着替える為にバスローブを半分はだけながらオレに近づいて屈みこみキスをした

豊かな胸があらわになっているのをそっと触れてみる

「ダメよ」

優しく制して下着を着け始めた

衣服を整えて最後に真っ赤なルージュを唇に乗せると敏腕プロデュサーが出来上がる

「さっきまでオレの下で喘いでいた人とは思えないね」

「そう?女はいくつもの顔があるものよ。 じゃあ 行くわ。 あ・・・忘れてた」

バッグから小さな壜を取り出すと首筋や手首やスカートの裾を捲って吹き付けた

空調に乗ってオレの所まで香りが届く

「あ・・・この香水」

・・・やっぱり どこかで この香りを嗅いだ でも 思い出せない

 

彼女が出て行った後

オレはやっとベッドから出て背伸びをした

相手が大人だから楽しく遊べる、お金も相手が払ってくれる

一回寝ると一回どっかの番組のゲストが入る

・・・・この業界はオレには向いているのかもしれない

 

最近やっと顔や名前を覚えて貰えるようになった

でも、それだけじゃあCDは売れない

初めてホテルに行った時、少し嫌がる素振りをしたオレに彼女が言った

「売れたいんでしょ?」

ストレートな問いかけにオレがコクンっと頷ずくと真っ赤な唇が近づき後は本能のままに従った

 

 

 

「おはようございま〜〜す」

流石にホテルから直行ではマズイので家に帰って着替えだけはしてきた

初めてのアルバムのレコーディングにオレは少し興奮していた

パートナーが作る曲には全幅の信頼を寄せてはいるが、問題はオレの書く歌詞だ

歌入れの途中で彼がいきなり

「ココもう少し短くならない」

言われると経験値が浅いオレはパニクってしまう

それでも歌える場所がある事への幸せを味わおう

「ヒロ  おはよう」

すでにレコーディングスタッフは集まっていて若いオレが一番最後に来てしまった

パートナーである彼は穏やかな顔でオレを迎えてくれる

「おそよう!」

座るなり頭を雑誌で叩かれて見上げればさっきの彼女とは別の意味で凄い敏腕女性マネージャーが怒っている

「一番、年下でペーペーのあんたが重役出勤とは良い度胸よね」

「・・・すいません」

「まぁ、良いわ。 皆、聞いて。 次のシングルがある番組で一ヶ月流して貰える事になりそうよ」

ホーーーだのそりゃあ凄いだのあちこちで歓声のようなモノが上がっている

・・・そんなに彼女の番組って凄いんだ

他人事のようにオレはマネージャーの言葉を聞いていた

「そんなに嬉しいの」

冷めた声がオレの後で聴こえる

振り返ると彼が怖い顔でマネージャーを見ていた

「アベちゃん、その話・・・断わって」

「どうしてよ!?せっかくのチャンスじゃないの」

「あの番組のリスナー層はボクが聴いて欲しい年齢とは違うと思うんだ」

「・・・ちょっと!そんな選り好みしている場合じゃないでしょ!それにリスナーの年齢層が高いとは思えないけど?」

「とにかく嫌だ!」

言うなり一人隣の部屋に入ってしまった

「・・・フゥ・・・」

「アベちゃん?大丈夫?」

大きく溜め息をつくマネージャーの肩をポンッとオレは叩いた

「最近、参ってるのかな・・・ダイスケ。 レコーディングとかで気が休む時がないから」

出逢った時から彼は感情の起伏は穏やかでいつも笑って回りに気を使っているように見えた

むしろ、ココは怒っても良いのにと思うこともあった

そんな彼が最近・・・オレが見ても分かるくらいイラついている

「あら?」

マネージャーがオレに顔を寄せて何かを嗅ぐ仕草をした

「シャワー浴びる暇も無いくらい急いで来たの?」

「・・・?何が??」

「彼女の移り香くらい消してくるものよ」

クンっとジャケットの袖を鼻に付けた

「あ・・・」

洋服からではなくオレの肌に今朝、彼女が吹き付けた香りが移っているんだ

「それにしても・・・どうしてダイスケと同じ香りなの・・・」

・・・・・?!

ずっと思い出せなかった  そうか これは彼の香りだ

 

自分の身体から立ち昇る香りにふっと昨日の射精感が甦った

女の身体にではなく・・・・それは彼にだったかと頭の隅が痺れる

 

「さあて・・・お姫さまの機嫌を治さないとレコーディングがいつまでたっても終らないわ」

隣の部屋に向かいかけたマネージャーにスタッフが電話を差し出した

「アベさん・・・ラジオ局からゲスト出演のオファーの事でお電話です」

何でこんな時に・・・と、マネージャーが舌打ちする

「アベちゃん、オレが話してみるから。 まかしといて」

電話を受け取りながら “お願いね“ 目配せした

 

「大ちゃん・・・」

大きな椅子に身体を沈み込ませながら彼が俯いている

「レコーデイング始めない?オレの喉も暖まってきたしさ。皆、待ってるよ」

オレが歩み寄ると彼の肩がビクッと震える

?????

「ラジオの事さ・・・そんなに嫌なの? たくさんの人に聞いてもらえるチャンスだと思うんだけどね」

「ヒロが身体で取って来た仕事だから・・・?」

「な!?なに言ってんの」

やはり感づいていたかと心の中で溜め息を零す

「そんなにしてまでヒロは売れたいの?!仕事が欲しいの?」

「・・・何寝惚けた事言ってんのさ!売れたいに決まってるじゃん。売れたくない奴なんてこの世界にいないでしょ!」

「嫌だ! ボクは嫌だから」

彼が立ち上がって大声をあげた

興奮で頬が紅潮している

うっすらと目に涙まで溜めて

・・・そんな彼が 可愛いと 初めて 思った  でも  許せない

「大ちゃんは良いよ・・・偉大な先生達に守られてこの世界の汚いモノなんて何も見ずにここまできたんだろうから。

 有名になりたいって事がそんなにいけない? 身体で仕事取って来たら汚い?

 そんな奴とユニット組んでると思うと嫌なの?    

 じゃあ・・・・やめようか?」

 

『君と出会えたのは運命だよね』

小学生じゃないのに彼のそんな言葉に浮かれていたオレ

 

「ヒロ・・・? やめるって・・・本気で言ってるの?」

彼はオレの言葉にまともに立っていられないほどショックを受けている

「ボクはヒロと一緒にやれれば良いと思っていた、売れるのはいい作品を出せばついてくると思っていたんだ」

 

「ゴメンね」

彼がオレの隣に来て二の腕を軽く触った

そこから痺れるような感覚が身体中を巡る

このまま彼を汚してしまいたい

 

縋るような目でオレを見ている彼の顔に近づいて告げる

それは彼にとっては悪魔の宣告だったかもしれない

 

「オレとずっと一緒にいたいなら・・・大ちゃんの身体使って仕事取って来てよ・・・できないって言わないで」

綺麗なまんまの人間なんてどこにもいやしない

誰かに汚される前にオレがこの手で汚してあげるから・・・

 

驚いて言葉も出せない彼の身体を冷たい床に押し倒して抱き締める

酷くなんてしないからね、最高の気分でイカせてあげるよ・・・

 

固い床の上でオレに貫かれながら乱れる彼はとても綺麗だ

「イヤ・・ヒロ・・・イヤ・・・あぁ・・・」

うっとりとそれを見つめながら、なおも軋んだ音をさせながら彼を嬲る

 

『こんなに愛しているのに』

 

自分を裏切って・・・

 

彼を裏切って・・・

 

身体を裏切って・・・

 

心を裏切って・・・

 

天使を裏切って・・・

 

悪魔を裏切って・・・

 

 

 

オレは彼を連れてどこに行くんだろう

 

 

 

 

***********************************************END

 

 

 

18禁です(今更だけど)でもHxDではヤッテないし・・・問題ありありだな・・・

これはちょっとヤバイですか?ですよね・・・(ーー゛

ダークなHIROが書きたくなった、でもダーク過ぎたかな?

タイトルは「私を裏切る」ちょっとタイトルも意味不明(?)

                               suika

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