A la folie ・・・pas du tout    

 


テレビの歌番組・・・って言うよりバラエティーみたいなモノだけど・・の録りを終えて大ちゃんのスタジオに寄った。

「おはよう!」ドアを開け見慣れた顔に挨拶を送る

「大ちゃんは・・・・って聞く必要ないか」機材に囲まれて曲作りに没頭しているのがガラス越しに見えてる

「見たわよ、、テレビ」アベちゃんがからかい口調で話しかけてきた

「あ・・・あれね・・いや〜〜〜面白いよ。」本心から言っていない事はきっとアベちゃんに伝わっている

「そうね。メディアに出るってのは良い事よ。ダイスケも面白がってたわ」

「そっか、大ちゃんも・・見るよね・・・もちろん」

accessじゃないオレ・・・ソロでもないオレ・・・・そんなオレを大ちゃんはどう思っているんだろう?

気にはなるけど、聞く事でもないしなぁ・・・

「ヒロ。」

大ちゃんが部屋から出て来てオレの隣にちょこんと座った。・・・ちょこんって・・・可愛いかも

「お疲れ様・・・大丈夫?また徹夜とか続いてるんじゃないの?」

「全然・・・大丈夫、余裕だよ。ハィ・・コレ」

大ちゃんの手から白い封筒を渡された

「ン?曲?・・・また封筒が復活したんだ〜〜〜」

「フフフ・・・」

「楽譜も入ってるの?何かMD以外の感触があるけど?」

「内緒・・・僕の気持ちがイッパイ入っているからね」

「そっか・・・じゃあ、ココでは見ない方が良いね。じゃあ、オレも封筒を復活させないと」

言葉が途切れる・・・

「あのさ・・・大ちゃん?」

「昨日、ヒロが歌ってるの見たよ。やっぱりヒロは歌が上手いよね。テレビの前で拍手しちゃったよ」

「そう?」大ちゃんに誉めて貰うとやっぱり嬉しい・・・げんきんだよな、オレ

「うん・・・上手、上手」パチパチ・・手まで打ってくれる訳ね

「大ちゃん・・・オレ、赤ちゃんじゃないから、手を打ってもそっちに歩いて行かないよ」

「なんだ・・・つまんない」

何が面白いわけじゃない・・・でも彼といると自然と笑顔が零れてしまう

「ちょっと良い?ダイスケ、電話なんだけど・・・」

アベちゃんが電話の子機を持ってオレ達の部屋に入って来た

「あ・・・それじゃあ、オレこれで帰るよ」

「うん・・・・」

何かまだ言いたげな大ちゃんの瞳が揺れる

「じゃあね・・・」

振り返ったオレの目の端に電話に歩み寄る大ちゃんの背中が見える・・・やっぱり何か言いたげだよね

 

 

車に乗り込んでから、渡された白い封筒の封を切る

MDを取り出してから中を覗くと、まだ一枚白い紙が入っていた

そっと取り出すとヒラ〜っと何かがヒザの上に落ちた・・・

「何だ?コレ」

小さくて細長い・・ピンクと言うよりはオレンジに近い色

「・・・花びら?」

多分、今の時期に花屋さんに行けば出会える筈の花だと思うけれど

「何で一枚だけ?」

そして、広げた紙には何も書かれてはいなかった

手紙を書いたのに、入れ間違ったのだろうか?そこに花びらが紛れることなんて・・・?

彼はさっき何て言った?

『僕の気持ちがイッパイ入っているからね』

この花びら一枚が大ちゃんの気持ちなの?

全てに?マークを付けて・・・車のアクセルを踏み込んだ

悩む前に走れ・・・・オレのくだらない持論だけどね

部屋に帰ってから悩もうかな

MDをINすると流れ出てくる彼の音

「凄え・・・・」感じたまんま・・・・思わず口から零れ出る

心地良さがオレの身体を包み込む

本当に・・・・浅倉大介って人は凄いよ・・・

今回のライブでのパイプオルガンでも思い知らされたけどね

聴いていて身体が震えるって初めてかもしれない

その後にオレが歌うって・・・マジ・・・?大丈夫か?オレ?って聴いちゃったよ。

まっ・・・すぐに大ちゃんには負けられないって思ったけどさ

 

 

赤信号で止まった時、その小さな花びらを手に取って見つめる

「これが大ちゃんの気持ちなの?こんな小さなモノなの?オレへの想いって・・・」

ふと外の景色に目をやれば、大きなビルの一階に花屋

「アラララ・・・偶然」

「この形の花びらで・・・この色で・・・あれかな?」

「ガーベラ?似てる気がするけどね・・・」

青信号になってしまったのでちゃんと確認出来なかったけどガーベラらしい・・・

「花言葉に意味がある?」

・・・オレ、何か名探偵になった気分だね

でもさ〜〜あんなに沢山の花びらがあると、『花占い』やってみたくなるよなぁ・・・

「あっ!!!!」

自分の声に自分で驚いてハンドルを切りそうになっちゃったよ

「あぶっね〜〜〜〜」

 

 

いつだったか・・ファンの子からのプレゼントの花カゴを前にして、大ちゃんと『花占い』の話をしたっけ?

「大ちゃんさ・・・花占いってする?」

「昔はしたけど、今はやらないよね」

「そう?オレはやるよ。花びらが綺麗に揃ってるの見るとついやっちゃう」

「だって〃好き・・嫌い・・〃ってやっていって最後一本が〃嫌い〃ってなったらどうするの?悲しいよね」

「オレはそれでもやるよ、最後〃嫌い〃ってなったら、次の花で続きをやる。〃好き!〃になるまでやるからね」

「ハハハ・・・ヒロらしいね」

「絶対、〃好き〃で終わらせるんだよ」

「そうだね・・・僕はあと一枚が〃嫌い〃になりそうな雰囲気だったら、〃好き・・・好き・・・嫌い〃って変えちゃうかも知れない

やっぱり、最後が〃好き〃の方が良いもん」

「終わりよければ全て良し・・・だよね」

「今は怖くて出来ない・・・〃愛してる〃で終わらなければ意味が無いから」

確か・・そのまま違う話になってしまったけれど

「大ちゃんが花占いをやったんだろうか・・・・」

そして・・・・この花びらがその結果?

「〃愛してる〃で終わったの?それとも・・・・」

オレはもう一度、スタジオへと車を走らせた

「聞いてみたい・・・その占いの結果を」

 

 

「もう、みんな帰っちゃったかな」

ひょっとしたら大ちゃんも帰ってしまったかも?電話してから来れば良いじゃん・・オレってバカ

「ん??」

鍵は開いている・・・誰かは残っているようだ

カチャ・・・

静まり返ったスタジオの奥、ガラス越しに大ちゃんの姿が見える

「やっぱり・・この人は・・本当に音楽が好きなんだから」

オレを見つけるとあふれんばかりの笑顔で出て来た

「どうしたの?忘れ物?」

オレは花びらを大ちゃんの目の前にかざして見せた

「これの意味教えて?占いの結果はどうなったの?」

「フフフ・・分ったんだ。たくさん考えた?」

「たくさん考えすぎて運転し損ないそうになっちゃったよ」

「嘘!だめだよ・・・危ないじゃん」

「大ちゃんが仕掛けてたんでしょ?」

「そっか・・・ゴメンネ」

謝るように少し頭を下げた大ちゃんの小さな身体をそっと抱き締めた

女性じゃないから柔らかいカーブがある訳じゃない・・・・・

サラサラの肌な訳じゃない・・・・・

でも、不思議とオレの胸に一番馴染んでしまう身体・・・

きっと、抱き締めたいとオレが求めているんだろう

「許してあげるから・・・教えてくれる?」

「だぁめ。教えない」

「ケチだね」

いつもオレに甘える大ちゃんの口真似をしてみた

「うん・・・・ケチだもん」

・・・・効果無しか・・・・

次にどう出るか悪知恵をたくさん詰め込んだ頭をフル回転させていたけれど

「ヒロ・・・?怒ったの?」

黙っているオレが怒ったのかと不安になったんだろう

オレの背中に回った大ちゃんの手がギュッっと強くなった

「大ちゃん?オレ・・・怒ってなんかないよ」

「教えてあげるよ・・・占いの結果」

オレの唇に触れるか、触れないかの所に大ちゃんの唇がある・・・

〃愛してる・・・〃〃愛されてる・・・〃〃愛してる・・・〃〃愛されてる・・・〃

「好き・・嫌い・・じゃないの?」

「どうして?今の僕に〃嫌い・・・〃なんて言えないよ」

「で・・・どっちが最後に残ったの?」

オレと大ちゃんの瞳は見つめあったまま、どちらも外す事が出来なくて・・・

〃愛してる〃

大ちゃんの目が閉じられて・・唇がオレの唇に重ねられた

そのままオレは大ちゃんを強く抱き締めた・・・

〃愛されてる〃でも良いと思うけどね

でも・・・君がそう望むなら

「愛してくれてありがとうね」

 

*****END******

 

スイマセン・・・・ライブ後に書くのがこれかよ!(怒)

生彼らを見ても、やはりラブラブは変わらないってか、変えない!!

私に「ダーク」とか「イタい」は望まないで下さいね(ーー;

ちなみにタイトルは仏語で「愛してる・・・愛してない」です、

映画のタイトルをパクリました。スイマセン〜〜〜(T_T)

                        suika

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