☆アブラカダブラ☆






もうすぐクリスマス


ロウソクの灯の下

気の合う仲間や家族とツリーを飾り付けた部屋でチキンやケーキを食べる


プレゼントの交換も欠かせない


時間を気にせずに語り合い飲み合い楽しく過ごす


一年に一度くらい羽目を外す日があっても悪くない

隣りに愛する人がいれば格別な日になるだろう




「クリスマスか」


ダイスケは仕事の手を止めて声に出した


「毎年言うけど、クリスマスが楽しみな歳でもないでしょう…

それに、その日は仕事、仕事」

気の置けない友人のアベだから憎まれ口も気にはならない

「だってさ、クリスマスなんだよ!

何とも思わなくても世間がざわついてるんだから気になるだろ」

「ふん、ならないわ。皆、商売上手なケーキ店やアクセサリー店に踊らされすぎね」

「まぁね」


神様は女性をつくづくシビアに造ったんだなとダイスケは思い、

"それはアベちゃんだけか"

と思い直す

「…ボクにもあんま関係ないか」


毎年のクリスマスにはライブを行っていた

ダイスケ自身がサンタになりファンと聖なる夜を過ごす

それが楽しいと思っていた

彼と再び会うまでは…




「あーあ、なかなか曲目決められないや」

"どれどれ"とボールペンを頬に当てながらウーンと唸っているヒロの手元を覗きこむ

「ちょっ、やめてよ大ちゃん」

慌てて手元を隠そうとするのを無理やり見ようとする

「良いじゃん」

「あのね、企業秘密なんだよ」


クリスマスのソロライブ用の曲順にさっきから頭を悩ましているようだ


「企業って…ボク関係ないじゃん」

「言ってみただけ」

「はぁ?」


噛み合わない会話に苦笑しながらダイスケは自分の仕事に戻った

「こんな時のヒロは何言っても無駄だよね」


同じ空間でそれぞれの仕事をする

長い付き合いの中でそんな関係が培われた

ふいにヒロが振り向いた


「ん?出来上がった?」

「大ちゃん、サンタクロース信じてたの何歳まで?」

「はぁ??」

流石にダイスケもヒロの頭がどうかなってしまったかと心配し始める

「いきなり何? サンタクロースって?」

「クリスマスのライブだから当たり前だけどクリスマスソングも歌うんだよ」

「だろうね…逆に歌わなきゃサギだよ」

"まぁまぁ"と手をヒラヒラさせて話を続けた

「自分は割と大きくなるまで信じてたけど、兄弟に聞いたら"初めから親父だって知ってた"って言われてさ」

甘やかされた三男坊らしい話だ

「大ちゃんはきっと小さい頃から理論派だからサンタクロースなんか信じてないのかなぁって」

「そんな事ないよ……」

ダイスケはうーんと考え込む振りをした

ヒロはずっと答えを待っているようだ


「だって…今でも信じてるもん」


ヒロはニヤリと笑った


「言うと思った」


アハハと2人で微笑み合う



「今年は大ちゃんもオレもライブだもんね」

「ヒロ、クリスマスなんて気にしちゃいないでしょ?」

「いーや、全然あるよ!オレはイベントは全身全霊かけて成功させるからね」

今まで何人の女の子に全身全霊傾けたのだろうね


「さ、仕事の続きしよ」

「大ちゃん冷たい」

しぶしぶイスに座り直す



ねえ…ヒロ

プレゼント期待してるよ

サプライズもしてくれるんだよね

たまには六本木のイルミネーションの中歩こうよ



「ユーミン好き?」

ボクも唐突にヒロに聞いた

「ユーミン?好きだよ。カラオケでも歌うし…でも、何で」

「ボクも好きだから」

「〜恋人がサンタクロース〜背の高いサンタクロース〜」


うん…知ってる

ボクはヒロと一緒にいられたら

その日が聖夜になるんだ






☆☆☆☆☆☆☆☆ END






お久し振り(/^ロ^)/\(^ロ^\)

短いけどクリスマスの話書いた〜
ネタは流花さんからです


suika

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