2・4・7 【24時間愛したい・・・7日愛されたい・・・】






秋の月の色は蜜色

見る者全てが甘く蕩けそうな薫りに包まれて月を仰ぐ

どこまでが真実でどこまでが虚飾なのか

どうか・・・その嘘で絡めてその腕に閉じ込めて下さい

この羽根が真実を覆い隠してしまわないように


今日の月の色は燃えるような深紅

貴方と一緒に焼き尽くされても後悔はしない

どこまででも広がる空間に吹き飛ばされても

どうか・・・深い海の底まで堕ちて行きましょう

この爪が嘘を紙に書き出してしまわぬように




会えない時間が長いのはもう慣れっこになってしまった

もの分かりの良い振りをして笑うのも苦痛ではない

時折、胸が隅っこがチクリと痛む以外は・・・




「帰るわよ」

付き合いの長いマネージャーのアベに促されてダイスケはスタジオを後にした

先に後部座席に乗っていた可愛いワンコ達と会話代わりのキスをする

もっと遊びたいダイスケに構わず彼らはすぐに目を閉じた

「突っつくのやめなさいよ・・・犬もストレスで病気になるらしいから」

犬がストレス・・・

では、自分のストレスは何処に発散すれば良いのだろう?


「会えない」

「我慢する」

「忘れる」


仕事でもワンコでも眠りでも癒せぬ思い

あまりにも膨大で深くて暗いソレはどうしたら良いのだろう?



「何をイライラしてるの?」

「別に・・・」

「別に・・・・そんな物言いの時は物凄くイライラしてるのよね」

「今、ヒロ何処にいるのかなぁ・・・って思っただけだよ」



アベはハンドルを切りそこなわなかった自分を誉める

「彼の事を思い出さない日は無いの?」

「えっ?」

「忘れろって言ってるんじゃないのよ、たまには生活と切り離してみたら?って言ってるの」

きっと、長い付き合いの恋人同士なら一日のうちに相手を思い出したりするのって数時間なのかも知れない

でも・・・

「う・・・ん、無理矢理思い出しているんじゃないよ。

 音楽で頭の中が一杯になってしまう事だってもちろんあるし・・・でも、やっぱりヒロの事考えてる。

 いつでも他の思いと表裏でヒロを思ってる気がする」

気付かないうちにしっかりと刻み込まれしまったのだろう

「それって家族や兄弟みたいね」

切り離せないのが運命なら仕方がないとアベは思った


「行く?」

「ん??ドコへ」

我ながら間の抜けた返事を返してしまったとダイスケは思った

「ヒロのライブ・・・東京はもうすぐだったわよね」

「ホント・・?行って良いの?」

さっきとはうって変わった明るい声にアベは苦笑を隠せない

「お誕生日の名古屋は仕事で我慢させたものね。東京なら時間取れるから」



会える時は楽しくて時間が過ぎて行くのが早すぎてもどかしい

会えない時は淋しくて時間を数えるのが遅くてもどかしい


自分が思うほど彼は思ってくれてはいないだろう

それでも彼を慕う気持ちは薄れては行かない



ふと、気付けば外気に晒されて冷たくなっている掌

こんな時、やっぱり思い出す

・・・彼の大きな手に包まれて暖められたいと心が叫ぶ



そんなに愛してるの?

彼女の背中がそう聞いている



「365日・・・24時間・・・一週間・・・一分・・・一秒・・・・愛してる」






********** END **********






短くてすいません。。。。

でも、こう言うの私は好きだったりするです(^_^;    スイカ
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