ж やさしく愛して ж






昨日からの仕事が一段落して、今夜はスタッフのみんなと食事、そのあと飲みに行った。

もちろん、スタッフだけじゃなくて、今日一日一緒に仕事をしたヒロもいて・・・・

すっかり酔っ払っちゃったヒロは今晩僕の部屋に泊まることになった。

そうなるとさ、やっぱり甘い夜を想像しちゃうじゃない?

酔っ払ってるといってもベロンベロンってわけでもなく、ただ帰るのが億劫になった程度だったから。




部屋に入るなり、ベッドに直行。 ここまでは良かったんだ・・・・なのに・・・・

『ヒロ?』

下着一枚で布団に包まってるヒロは、すでに眠りかけていて返事もない。

大急ぎでパジャマ着て、ヒロの隣に滑り込んだ僕の立場は?


『ヒロォ〜』

ちょっと声を大きくして呼びかける。

『ん〜〜〜?』

それは返事? それとも寝言?

『も〜〜〜、せっかくの夜なのに〜〜〜、何もしないで寝ちゃうのぉ?』

返事なんて期待しちゃいない。 ただの愚痴。

『・・・したいの?』

なのに、普通に返事が返ってきてびっくりした。

『そりゃ・・・したいよ』

こうなったら開き直ってやる!

『ん・・・でもさ、エッチしなくても・・・』

伸びてきた長い腕に巻き込まれるように抱き寄せられる。

『こうやってるだけで愛を感じない?』

ヒロがどんな顔して言ってるのか見てやりたいけど、僕の頬はヒロの裸の胸に埋められてて身動きが取れない。

これだけヒロの匂いに包まれてたら、愛といっしょに違うとこも感じちゃうよ。

『愛は感じるけどさぁ・・・それ以外にもいろいろ感じたい時ってあるじゃない?』

・・・・・あれ? 返事がない。 まさか寝ちゃった?

手を伸ばして、ヒロの下腹部を下着の上から、そぉっと掴んでみた。

『だぁ〜〜〜〜〜いちゃ〜〜ん』

あれ? 起きてた。

手首を逆に掴まれて、そのまま僕をシーツに縫い止めるように、ヒロが覆いかぶさってきた。

上から見下ろしてるヒロの顔がちょっと怒ってるように見えて僕は目を伏せてしまう。

『そこまで挑発するんだから、覚悟は出来てるよね?』

『挑発って・・・・・別に・・・・・ヒロはやりたくないの? だったら・・・んっ・・』

不満たらたらの僕の愚痴は、ヒロの暖かい唇に飲み込まれていく。

同時にパジャマの裾から潜り込んだ手は、すぐに僕の胸の突起に辿り着いて、その感触に鳥肌が立つ。

『んんっ・・・あ・・・・んっ』

ヒロの唇が離れたとたん、漏れる甘い声に自分が恥ずかしい。

でも身体の方がもっと恥ずかしい状態になっちゃってて、それに気付いたらしいヒロがクスッと笑うのがわかった。

『な・・んだよ・・・・ヒロ、やりた・・・くなかったんじゃな・・・・あぁっ・・』

ヒロの指を待ち望んでいたそこを擦るように愛撫されて言葉が途切れた。

でも、僕のパジャマを脱がせ始めたヒロの表情は、やっぱり不機嫌そうに見える。

イヤなのかな? 今日一日、スタジオに篭ってたし疲れているのかもしれない。


『ねぇ、ヒロ?』

『ん?』

よっこらしょって感じで、ヒロが僕の下着を剥ぎ取った。

『・・・疲れてる?』

恐る恐る聞いた僕を、ヒロは呆れ顔で見下ろす。

『誰が?』

あ、やっぱり怒ってる〜、どうしよう。

『ごめん、疲れてるなら僕は・・・』

『だから、誰が疲れてるって?』

少し苛立ちの混じった声音に、僕はますます小さくなる。

『・・・だから・・・ヒロが・・・』

『大ちゃんは?!』

え? 僕?

『昨日、ほとんど寝てないって言ってたじゃん、今日だってオレの何倍も仕事してたでしょ?

 絶対、疲れてるだろうから今夜は早く寝かせてあげようって思ってたのに・・・・』

人の気も知らないで・・・・と、ヒロが大きくため息をつく。

・・・・・そうなんだ・・・・・やっぱりヒロはやさしいね。

『ごめんね・・・でも、ヒロが欲しかったんだもん・・・・』

ヒロが僕の胸に突っ伏すように倒れこんだ。

『どしたの? ヒロォ?』

『どしたのって・・・・大ちゃん、今ストレートに誘ってくれたよね〜』

・・・・あ、そういうことになりますか。

じゃ、ストレートついでに、もうひとつ。

『キス、して』

その言葉で、ヒロがやっと微笑みを見せてくれた。

そして、どこかへ堕ちていってしまいそうなくらい、深い深いキスをくれた。




翌日、身体のあちこちが痛いとヒロに訴えたら

『だって、大ちゃんがもっと≠チて言ったんだよ?』

そんなこと!・・・・言ったけどさ・・・・もうちょっと手加減するとか・・・。

『酷くしていいから≠ニも、言ったよね?』

・・・・・・言ったかも・・・・・・。

なんか、とんでもないこと口走った憶えはあるんだよね。

でも、あのときの言葉って、うわごとみたいなものじゃないの?

『わかった、大ちゃんがアノ時言うことは嘘なんだね?』

違う、違う、嘘じゃなくて・・・・・。

『本当なの?』

う・・・・・・うん。

『もっと≠焉A酷くして≠焉H』

もう! 口に出さないでよ、恥ずかしい。

俯いてしまった僕の顎を持ち上げて、ヒロが羽根のようなキスをした。

『ごめん、次はもっとやさしくするから・・・』


ううん、ヒロはいつでもやさしいよ。


だから、これからもずっと・・・・・


やさしく愛してね。





---------- end ----------


甘っ!・・・・と、書き終わった瞬間口走った流花でございます。   

そんなものを、人様に読ませてしまってごめんなさい。 え?いつもと同じって?(うぅ・・・;)   

虫歯にならないよう、読み終わったら歯を磨いてね!(笑)   

流花   

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