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大きく息をついて、目を開けるとヒロの微笑があって、とたんに恥ずかしくなって目を伏せた。
『ごめん、汚しちゃった・・・ね・・・・』
『あやまんなくても・・・・こういうのは汚れるもんでしょ?』
『そうなの? そういう・・・もの?』
ちょっと考え込んだダイスケを見てヒロが笑い出す。
『なに?』
何で笑われたのかよくわからなくて訊いてみてもヒロはなんでもないと、笑い続けている。
『ヒロ?』
『ん?』
『次は僕の番?』
『・・・・・・・あぁ・・・・順番なの?』
まだ笑いの残った顔で首を傾げるヒロに、ダイスケも自信をもって答えることは出来ないけど、多分そうだろうと頷く。
ダイスケが おずおずとヒロ自身に手を伸ばして壊れ物にでも触るように手を添えるのをヒロはいとおしそうに見つめていた。
ゆっくり手を動かしながら、伺うようにヒロを見る。
『ヒロの・・・・・・・おっきいよね・・・』
『そう? 誰と比べて?』
凍りついたように動きを止めたダイスケを、ヒロは慌てて抱きしめた。
『ごめん!冗談だってば・・・・・・・そんな顔しないで・・・』
怒っているような、それでいて今にも泣き出しそうな顔をしているダイスケの頬にキスをする。
『褒め言葉だと思っていいんだよね?』
ダイスケはコクンと頷きながら、再びヒロのモノに手を伸ばそうとして、その手をヒロに取られてしまう。
『な・・に?』
『大ちゃんの手も魅力的なんだけどね・・・・・、このお褒めいただいたものを入れてもいい?』
お褒めいただいたもの?・・・・・・・・・・入れる?って・・・・・
『どこに?』
もちろん、ダイスケだってヒロの言ってることはわかっていたけど、信じられなくて思わず訊いてしまった。
『・・・ここに・・・』
ヒロが言うのと同時に、ダイスケは後ろにヒロの指を感じて、思わず、ずり上がる。
『ヒロッ!』
『だめなの?』
『だ・・だって・・・・・痛そうだよ?』
『大丈夫、痛くしないから』
自信満々に頷くヒロを、ダイスケは思いっきり疑った目で見る。
『やったことあるの?』
『ないけど・・・・多分大丈夫って気がする』
この根拠のない自信はどこからくるのだろう。
『まぁ・・・・裂けるとかはないと思・・・』
『さっ・・・・・やだ! ねぇ、やめよう?』
『だぁいちゃん?』
楽しそうなヒロとは対照的にダイスケは青くなっていく。
『あの・・・さ、手じゃだめなの?』
ヒロがゆっくりと首を横に振る。
『じゃぁ・・・・・・・・・・口は?』
『それは次の楽しみに取って置く』
どうやらヒロに諦める気はないらしい。
『じゃ、ホントに、ホン・・・』
『シッ・・・』
ヒロが人差し指でダイスケの口を封じる。
『話は終わってから ゆっくりね・・・・』
まだ何か言いたそうなダイスケの口の中にヒロはそのまま指を入れる。
『舐めて・・・・』
ヒロの声が少し掠れて、セクシーに響く。
言われるままにヒロの指を舐めると少し苦い。
さっき自分の放ったものだと気づいて、ダイスケの体温が一気にあがる。
ヒロの空いている手がダイスケの内腿を撫で上げながら辿り着いたものに絡みつく。
思わず声を上げそうになったダイスケが、ヒロの指を噛んでしまった。
『痛っ・・・』
『ごめ・・・・』
指を外して謝ろうとしたしたダイスケの声はヒロのキスに吸い取られる。
強く吸われるのと同時に、後ろにヒロの指が侵入してきて、避けることもできないまま飲み込んでしまう。
もっと激しい痛みを想像していたのに、異物感はあるものの痛みは殆どなかった。
それどころかヒロが指を動かすたびに、微かな快感さえ憶える自分にダイスケは戸惑ってしまう。
ヒロに “慣れている” と思われたらどうしよう・・・・といらぬ心配をしてしまう。
でも、そんなことを考えていられたのも最初のうちだけで、ヒロの指がある場所に触れたとたん
『・・・ん・・あぁっ・・・』
身体を走り抜けた快感に、自分でも信じられないような甘い声を出していた。
その声に助けられたように、ヒロの指の動きは激しくなり、数を増やしていく。
『あ・・・ぁぁ・・・・っ・・・・だ・・・・め・・・・』
少しづつ増してくる痛みと比例するように、快感も昂まってくる自分の身体を持て余したダイスケはヒロの腕から逃れようともがく。
『大ちゃん・・・・もっと感じて?』
ヒロの囁き声に抑えていた快感が一気に押し寄せてきて、抵抗することが難しくなった。
『あぁ・・・ヒ・・・ロ・・・・・・・ヒロ・・・・・』
『・・・・・ここにいるよ・・・大ちゃん・・・・』
ヒロの指と声に翻弄されて、もう何も考えられない。 ダイスケはただ快感の波に身を任せていた。
 
不意に身体への圧迫がなくなったと思ったら耳元でヒロが、ごめんね・・・・と囁く。
何が、ごめんねなのか考えた次の瞬間、身体を裂くような痛みに ダイスケはその意味を理解した。
『いっ・・・・・た・・・ぁ・・・・ぁ・・・あぁっ・・・やっ・・・・』
指とはまったく違う圧迫感と痛みに生理的な涙が目尻から零れ落ちる。
『大ちゃん、力抜いて・・・・ね、大丈夫だから・・・』
そう言いながら身体を進めてくるヒロに、何がどう大丈夫なんだと憎まれ口を叩く余裕もないまま、
楽になりたい一心でヒロの言葉どおりに身体の強張りを解くと少し痛みが和らいだ。
『痛い?』
動きを止めたヒロがダイスケの顔を覗き込む。
『泣かないで・・・・・、そんなに痛い?』
尚も心配そうに聞いてくるヒロの声に痛みは消えて・・・・でも違う涙が溢れてくる。
ヒロが自分の中にいる・・・・・そして今自分だけを見ていてくれる、その嬉しさに涙が止まらない。
ダイスケは、しっかりと握っていたベッドカバーを放して、大丈夫だから・・・と言うようにその手をヒロの背中に回した。
『ヒロ』
『ん?』
『名前・・・呼んで』
『・・・・大ちゃん?』
『もっと・・・』
『大ちゃん・・・・・』
何度もダイスケの名を囁きながら、ヒロがゆっくりと身体を動かし始める。
再び襲ってくる痛みと、快感と・・・そしてすべてに優る幸福感にダイスケは身体の芯まで揺さぶられていた。
 
 
『だぁ〜いちゃん?』
ベッドに突っ伏してるダイスケの頭の上にヒロの猫なで声が降ってくる。
『ごめんって・・・・。大丈夫? まだ痛い?』
ベッドに潜り込んだダイスケの、シーツから少しだけ覗いてる髪を撫でても返事はない。
確かに痛みは残っていたけど、別に怒っていたわけではなく、顔が上げられなかったのは恥ずかしいから・・・・。
なんであんな甘ったるい声を出しちゃったんだろう・・・とか、なんだか凄いことを口走ってしまったような気がする・・・とか、
思い出すと消えてしまいたくなるくらい恥ずかしくて・・・・、その時、ヒロがダイスケの頭をツンツンと突付いた。
『これ、プレゼントするから機嫌直して?』
プレゼントと聞いて、シーツから顔を出したダイスケの目にヒロの手に乗った淡いピンクのビロードの箱が飛び込んでくる。
『なぁに?』
興味深々でベッドに起き上がるダイスケを見てヒロもホッと笑顔になった。
はい・・・とピンクの箱をダイスケに渡して、今度はヒロがベッドに潜り込む。
『え? 寝ちゃうの? これ・・・・』
ダイスケが差し出した箱を 少し眠そうな顔で見上げると、開けてみて・・・と言ってヒロはそのまま枕に沈み込んだ。
窓の外は薄っすら明るくなっていて、ヒロが眠いのもわからなくはないけれど・・・・・・ダイスケがヒロの伏せた睫毛の長さに見惚れていると
『気に入ってくれた〜?』
目を閉じたままのヒロの言葉に、ダイスケは慌てて箱を開いた。
箱の感じから、指輪だろうと思っていたダイスケの瞳に二つの宝石が映る。
ダイヤのイヤリング?・・・・・・え・・・ピアス?
『ピアス〜!?』
ダイスケの声にヒロが重い瞼を上げて、やっぱり?という顔をする。
『どうして? 僕がピアス出来ないの知ってるでしょ?』
『それ、大ちゃんに似合うと思ったんだけどなぁ・・・・・・・・カットが特別でね、よく光るんだって。ステージの上で映えるよ、きっと・・・・』
手を伸ばしてダイスケの耳朶をくすぐるように触ってくるヒロに何も言い返すことが出来ない。
イヤリングにしなかったのは、ステージの上でいつも落としてしまうのを知っていたからだと思うし・・・・・・、
正直言って、ヒロが自分のために買ってきてくれたというだけで嬉しくて仕方なかった。
しかし、ピアス・・・・・。 この年になって耳に穴を開けるんだろうか・・・・。 痛い・・・・のかな。
戸惑い顔のダイスケを薄目で見ながら ヒロが微笑う。
『いいよ、大ちゃん。 持っててくれるだけで・・・・・痛いの嫌いでしょ?』
『やっぱり痛いの?』
『少しはね・・・・・。 でもさっきの痛さの十分の一ぐらいかな』
その言葉に 忘れてた恥ずかしさが蘇ってきて、真っ赤になったダイスケは目の前の枕を思い切りヒロにぶつける。
ごめん、ごめんと笑いながらヒロは布団を被って避難した。
耳まで赤くなりながら手の中のピアスを見ると、カーテンの隙間から差し込んできた朝日に反射してまぶしいくらいに輝いている。
『ホントだ、綺麗・・・・・。 ヒロ、すごく綺麗だよ』
話しかけても布団の中のヒロはピクリともしない。
『寝ちゃったの?』
ふぅ・・・と息をついて、再びピアスに視線を戻す。 

どうしよう・・・・・・・・・・キラキラ光るピアスはヒロそのもののような気がして・・・・・。
これをつけたらヒロはなんと言ってくれるだろう? 考えると ちょっとわくわくする。
“どうしよう” といいながらダイスケの心は9割方、決まっていたのだけれど・・・・。
 
 

 
ピアスの穴ってどうやって開けるの? 痛いの? と事務所のスタッフに聞いて回るダイスケを見て
ヒロのバカが また何かをやらかしたに違いないと頭を抱えたアベマネージャーだったが、3日後、ダイスケを
医者に連れて行ったのも やはり彼女で・・・・・帰りの車の中
『そのピアス、どうしたの?』
と訊けば、蕩けそうな笑顔をみせるダイスケ。
『いい!なにも言わなくて!』
人のノロケ話なんか絶対聞いてやるもんかとアクセルを踏み込んだアベだった。
 
 

--------- end ----------
 


私の書くエッチなんざ、こんなもんです。 ごめんなさい(_ _;)
これでも私としては、すっごくやさしいヒロ&乙女な大ちゃんなんです。
もっと いろいろ書きたいことがあったのに文章力のなさに泣きました。
そして、最後は「アベちゃん落ち」で これまたごめんなさいね〜(苦笑)
                                    流花
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