* Presents *






ソロライブの日程が決まった時、オレは何も考えていなかった。

ライブがやれる! もうそれだけでハッピーだったし・・・

そのハッピーな気持ちをそのまま伝えたくて、すぐに大ちゃんに電話した。



《ソロライブ、決まったんだ》

《そうなの? よかったね〜、頑張ってね》

《うん、Zeppだからさ、大ちゃんも暇があったら来てね!》

《うん、行くよ。 今度また日程とか教えて?》

《オーケー》

それだけ・・・・・その時はね。




ライブの日程が一般に公開されて、すぐにファンからのメールが届き始める。

ほとんどは、楽しみにしてますとか、絶対に行きますとか、そんな内容だったんだけど、そんな中に1通・・・


大ちゃんのお誕生日は名古屋なんですね


あ・・・・・・・・そっか。

そういえば4日、誕生日だったな。

メールでおめでとうを送って、暇が出来たら会ってプレゼント渡せばいっか。

会えない時はそんなもの・・・・・と、オレは考えるんだけど、大ちゃんって意外とイベントごとに拘るんだよね。

さて、彼がどう出るか・・・・。




『4日、名古屋?』

『そう、だから名古屋からおめでとうのメールするよ』

新居に遊びに来た彼にあっさりと言ってみた。

『あぁ、憶えててくれたんだ?』

ちょっとシニカルな笑みを浮かべた彼だったけど、不機嫌ってことはない。

『オレが大ちゃんの誕生日忘れるわけないじゃん』

・・・・ちょっとわざとらしかったかな。

『どうせ、た・ま・た・ま、思い出したんでしょ?』

よくわかっていらっしゃる。

二人顔を見合わせて苦笑い。


『ごめん、プレゼントは先渡ししとこうか?』

『何くれるの?』

・・・・・考えていなかった。

『えーっと・・・』

言葉に詰まったオレに大ちゃんが笑い出す。

『な〜にくれるのかなぁ・・・・すっごい楽しみ!』

意地悪だね・・・・・でも、可愛いから許す。


『あ・・・ひとつリクエストしてもいいかな?』

『もちろん! 何が欲しいの?』

『4日のライブで、何か1曲プレゼントして?』

『ん? どういうこと?』

『どんな曲でもいいから、その曲を歌う時は僕のことだけ考えていて』

小首を傾げて、にっこり微笑う。

『それは・・・いいけど・・・それだけ?』

『うん、でも歌ってる時はファンのこととか絶対考えちゃだめだよ?』

『ファンの前で歌ってるのに?』

『だめ! 僕のことだけ』

我儘だなぁ・・・・・・そんな君も可愛いけどさ。


『わかりました。 心を込めて歌わせていただきます』

『よろしい』

嬉しそうに笑う大ちゃんに、思わず言ってしまった。

『名古屋まで聴きにくればいいのに・・・』

すぅっと、彼の顔から笑みが消える。

『ごめんっ、無理だよね。 ちゃんとライブのMDあげるから・・・ね?』

手を合わせたオレに、彼がため息をついた。

『うん・・・・MDにリボンかけてね』

そんな可愛いこと言うと抱きしめちゃうぞ、そう思った時には抱きしめてたけど。


『オレにもリボンかけてプレゼントするよ』

耳元で囁くオレに、ベタだなぁ・・・・そう呟いた彼が腕の中で小さく笑う。

ご機嫌の直ったらしい彼がオレを見上げて、瞳でキスを強請るから

その柔らかい唇に何度も何度もキスを落とす、浅く、優しく・・・・・

それだけじゃ物足りなくなって、妖しく動き出したオレの手に大ちゃんが身体を捩らせる。

『なぁ〜に? プレゼントには早すぎるんじゃない?』

焦らしてるつもりかもしれないけど、君の目も充分に潤んでるよ。

『もちろん、これは別・・・・』

囁いたその耳に、軽く歯を当てると彼の身体がぴくっと震えて、摺り寄せられる。


買ったばかりのラグの上に、抱きかかえるように彼を横たえて、今度は深く口づける。

『・・・んっ・・・』

くぐもった声に待ちきれなくなって、シャツのボタンを外し始めたオレに、彼が濡れた唇で微笑みかけた。

『MDの他に、お花も欲しいな』

『はい、はい』


やっと全部ボタンを外して、その白い肩に唇を寄せる。

『メインプレゼントは、ヒロが考えてね』

その言葉にオレは動きを止めて彼を見下ろした。

『・・・・メインって・・・・MDと花以外ってこと?』

『あったりまえじゃん!』

あったりまえなのかぁ〜?

眉をしかめたオレの首を引き寄せて、彼が唇を押し当ててくる。

熱い舌が入ってきて、文句を言うことなんて出来そうもない。

そんな欲張りな恋人も可愛いと思ってしまうんだから、どうしようもないよな。


メインプレゼントを考えるのは、この熱い身体を食べた後にするとして・・・・・


とりあえず、い・た・だ・き・ま〜す。





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end ----------





ショートです。

もうすぐ大ちゃんのBDですが、きっとこの二人にとってBDプレゼントなんて

どーでもいいさってくらいこんな<vレゼントは日常茶飯事な気がする

・・・・・のは、私だけ?(^_^;                 流花


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