be inseparable

 

 

「ヒロってわかりやすいよね」

 

それ、よく言われる。

なんでかな? どのへんが? そんなに行動に表れてる? それとも表情に?

嘘は嫌いだけど、思っていることいちいち全部言って回らなくてもいいでしょ。

だから黙っている事柄だって勿論ある、結構たくさん。・・・隠してるのとは違うよ。

俺にだって、人に言いたくない大切な秘密ってやつも、あったりするわけだし。

大ちゃんだって、そうでしょう。

 

「・・・そうだね」

 

なんだか意味深に笑うんだね。

大ちゃんってポーカーフェイスだもんね。 感情つかませてくれないよね。

でも他人には分からなくても、俺にはちょっとした部分で分かっちゃったりもするんだけどさ。

それこそ、愛の力ってやつ?

 

「なに言ってんの」

 

ほらほら。 しかめっ面してみせたって、その目の奥の優しい煌きを、俺は見逃さないよ。

 

「ヒロの書く詞ってさぁ」

 

うん?

 

「・・・わかりやすい」

 

だから、なにそれ?

 

「こないだ、ヒロのソロの曲いろいろ聴き返してたんだ」

 

あらら。 そりゃまた嬉しいけど、なんで? ちょっと照れるね。

 

「もうすぐ新曲出すじゃない? だからその前に、おさらい」

 

聴き比べるってこと? それは緊張するなあ。 一番厳しい聴き手だもんな。

 

「ていうか、なんか久しぶりに聴きたくなった。 実は気に入ってるんだよ」

 

おっ、マジで? 光栄です。

 

「ヒロの声だから・・・僕の曲に乗る声じゃなくても、やっぱり好きだし」

 

大ちゃん・・・。 伏し目がちにそんなこと囁かれちゃうと、ぐっとキちゃうんですけど。

ちょっと抱き寄せてみちゃったりして。

大ちゃんも素直に体を預けてくれる。 ああ、心地いいねえ。

こういう時間が一番幸せかも、って思うんだよ、最近。 年とったかねえ俺も、なんてね。

 

「でね。歌詞をじっくり聴いてみたのね。そしたら・・・。 勿論、全部が全部じゃないんだけど・・・その、ね」

 

ああ、大ちゃんに向けられた歌詞だってこと?

あ、赤くなった。可愛い〜!って、ごめんごめん、誉め言葉だよ、逃げないでよ。 ちゃんと俺の腕の中にいて。

だけどさ、あの曲とかこの曲とか、大ちゃんに向けて歌ったんだよってことは、前にも言ったよね?

 

「ん、聞いた。 それは、ありがと・・・あの、今回思ったのはね、歌詞の変化っていうのかな。 一人が、二人になったのが、なんていうか、ツボだった」

 

一人が二人??

 

「そう。 例えば、“GROW”でさ、“僕は一人明日を探そう”って歌うじゃない。 “いつかまた巡り合う日まで”って。

 けど、それからだいぶ経って出したシングルでは、“ふたりで歩いていこう”って言ってるでしょ? 僕たちが再会してから作った曲だったよね、これ」

 

そう。 accessが復活する少し前に作った“哀しませたyesterday”。

これは誰が聴いたって、大ちゃんへのメッセージソングだと分かるだろう。

我ながら、あまりにもストレートすぎたかなとは思ったけれど、率直な気持ちを表したかったんだ。

そして、あのときの想いは今も変わってないからね。

 

「僕、初めて聴いたとき泣いたんだよね。 あの歌」

 

俺の肩に顔を埋めて恥ずかしそうに呟く姿が愛しくて、嬉しくて。

抱きしめて、キスをせずにはいられない。

 

「僕を想って歌った、とは言われなかったけど、これは僕以外考えられないじゃない、ねえ」

 

髪へのキスを受けた大ちゃんが、顔を上げていたずらっ子のように笑う。

そうだよ、あれは君への歌。 君に捧げた俺の本心。

いつだって大ちゃんのことを想ってた。 離れてからもずっと。

 

「約束は、まだ果たせてないからね? これからも頑張っていこうね」

 

そうやってにっこり微笑む大ちゃんは、本当に天使のように綺麗で。

そうだね。 俺たちには、二人で交わした約束があるんだ。 誰にも教えない、二人の夢が。

今もまだ進んでいる途中だからね。

これからもしっかり手を取り合って、一緒に歩いていこうね。

 

・・・あれ?もしかして・・・ふと気付いたけど、ソロよりむしろ今のaccessのほうが、俺の歌詞って、直球じゃない?

 

「えぇ!? 今頃気付いたの!? てか、マジ無自覚だった!?」

 

ああっ、そんなお腹を抱えて大爆笑することないじゃん、大ちゃん!

もう、せっかくいいムードだったのにな。

まあいいか。 どんなときだって、君の笑顔が見られるのが俺はなにより嬉しいよ。

ほんと嬉しい・・・にしても、あんまり笑いすぎじゃない?

まだ笑い止まらないの? ねえ。 ねえってば、大ちゃん。

 

「え?」

 

大ちゃん、好きだよ。 これからも俺の手を離さないでね。

 

ふっ、と真顔になった大ちゃんの顔が次の瞬間ふわりとほころび、俺たちはどちらからともなく唇を重ね合った。

 

 

 

***** end *****

 

 

Kinuge-Rillaさまより戴きました♪ 

可愛いお話をありがとうございました !<(_ _)>

大ちゃんは可愛いけれど、やっぱりお兄ちゃん?(笑)

可愛いお兄ちゃんとヤンチャな弟って感じですね〜(^-^*)

流花

 

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