真夜中の出来事

 

 

静寂が包んだ闇の中。

ふと目が覚めて隣をまさぐると、そこにあるべきはずの温もりがなかった。

 

「あ・・・れ?」

 

寝ぼけ眼をこすりこすり上体をあげて辺りを見回しても、その存在は見当たらない。

どこにいっちゃったんだろ・・・・。

 

「ひ・・・・ろ・・・・」

 

なんだか悲しくなって、その場にペタリと座り込んでしまった。

しばらくぼんやりしていると、性能のいい耳が微かな音を拾い上げた。

同時に暗闇に慣れた目が、ドアから洩れる光に気がついた。

頭を2,3回振ってベッドから降りると、ペタペタとリビングへと続くドアを開けた。

 

 

 

「・・・・・?」

 

 

光の発信源はテレビ。

リビングは真っ暗。

テレビの光に照らされた黒い山に声をかけようと近づいたその時、

信じられないものが耳に入った。

 

 

『あっ・・・・・ん・・・・・い、いー!』

「!!!」

 

 

聞こえてきたのはあられもない女の嬌声。

僕の意識は一気に覚醒した。

 

「ヒロ!」

 

何でこんな夜中に恋人の僕を置いて、ベッド抜け出してAVなんて観てるわけ?

信っじらんない。

ムシャクシャして怒鳴りつけると、ビクッと体躯を驚かせておそるおそる僕を振り返った。

 

「だ、だいちゃん」

「ねえ、なにしてるのか、訊いてもいい?」

 

こめかみをヒクつかせて近づくと、後ずさりしながら画面を隠そうとする。

いまさら遅いっつうの!

 

『あ、あぁ!!・・・・・も、イ、クぅ〜!』

 

ひときわ甲高い喘ぎ声をあげてTVのなかの女が絶頂を向かえた。

すっきりとした目覚めではなかったこともプラスして、僕の怒りも絶頂を向かえた。

 

「最っ低ーー!!」

「・・・・っぎゃあっ!!」

 

言葉とともに、剥き出しにされたヒロ自慢の一物を思いっきり踏んづけてやった。

しばらく痛みに悶えていればいい。

フンッと睨みつけると僕はそのまま寝室に戻り、ベッドに潜りこんだ。

情けない声が後ろから聞こえてきたけど、そんなの知らないっ!

 

     

***** end *****

 

 

このサイトで初めての記念すべき「贈り物」♪

個人的に大好きなタイプのお話です〜(*^^*)

桜乃さん、素敵に楽しい作品、ありがとうございましたm(_ _)m

                          流花

 

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