駄文集 その3


日記などに書いた駄文集です。 2005/09〜2009/06
2005/09/25【suica】

eye to eye



愛は目に見えるものでは無いけれど・・・


「おはよう!」

もうすぐ始まる月イチのブロードバンドラジオの打ち合わせの為に

テンション高いヒロがボクの事務所に来た

「おはよう」

「大ちゃん、今日も可愛いよ」

ブハッ!

横に座っていたマネージャーが吹き出した

「ちょっと勘弁してよ!」

「本当だから仕方ないよね」

「ヒロ・・・からかうのやめなよ」

ボクは進行表を捲りながら笑いを堪えた


今、仕事づいているヒロは忙しくも楽しそうだ

毎日とは言わないが、それでも世間の恋人同士くらいには会えているだろう


「あ、ヒロ。名古屋のライブの時メールありがとう」

「どういたしまして・・・大成功で良かったね」

「メールのおかげだよ」


・・・あの日ボクは行きの新幹線からヒロに何通もメール出したから

来て当り前なんだけど、それでもちゃんと答えてくれるからヒロは優しい


「東京のライブには来てくれる?」

「もっちろん」

「本当かなぁ〜?」

「じゃあさ、オレのライブにも来てくれるよね」

「もっちろん! あ・・・ボクの誕生日は名古屋行っちゃうんだよね」


努めて明るく言ったけれど、それを知った瞬間は少し悲しかった

でも、ヒロを責める事はしたくない


「ごめん」

「謝んなくて良いよ、仕事なんだから」

そう

ヒロが生き生きしているのがボクは好きだ

そうでなければボクも幸せにはなれない


「大ちゃん、その日は速攻で帰って来るから待っててね」

ヒロがボクを背中から抱き締めてくれた

「うん・・・絶対帰って来てね」


愚かだと言われてもボクはヒロを愛している


愛は目に見えるものでは無いけれど・・・


だからこそいつもじっと見ていたい


君だけを・・・


2006/02/05【suica】

★☆★ 役得 ★☆★


気まぐれな君が好き

負けん気な君が好き

わがままな君が好き



「オレの勝ち!」

勝利に高笑いした瞬間君はコントローラーを放り出し椅子の背に顔を埋めた


仕事の合間に最近2人で熱中している対戦型ゲーム

勝率は五分五分…

と言いたいが『勝負』と聞いてオレが負けに甘んじる訳は無く

君相手でも手加減はしない

「つまんないよ…ヒロは運転出来るんだから上手くて当たり前じゃん…」

ブツブツと椅子の背に文句を言っている

「いや…ゲームなんだし…あんま関係ないと思うんだけどね」

「んな事ない!」

「じゃあさ〜大ちゃんはオレに手加減して貰いたいの?」

「ん〜」

「ほうらね」

「あぁ!またそうやって丸め込む」

そうして、再び椅子の背に顔を埋める


「大ちゃん。こっちおいで」

優しく語りかけ自分の膝に手招きした

ヤダよ…って顔しながら膝に乗る君の重みを受け止める


「まだ怒ってる?じゃあもう一回やろうか?今度は大ちゃん本気出して」

君の手がオレの首に巻き付き紅い唇がそっと降りて来る

「キスしたらね、今度は負けないよ」


わがままな君が好き

オレを好きな君が好き

2006/06/03 【流花】

*嘘つきな恋人*



大ちゃんの部屋で二人きり。

可愛いケーキも目の前にある。

『ヒロ・・・・』

それに続く言葉は、当然お誕生日おめでとう≠セと思ってた。

なのに・・・

『名古屋で・・・彼女と二人でドコにいったの?』

『は・・・?』

思いっきり疑問顔のオレを大ちゃんが睨みつける。

『しらばっくれてもダメだからね。 ちゃんと知ってるんだから!』

ちゃんとって・・・・・どこの誰から何を聞いたの?

『ファンの子が教えてくれたんだから。 舞台終わってからヒロが彼女と二人っきりでタクシーに乗ってどっか行ったって』

二人っきり≠フ部分に力が入ってるね、大ちゃん。

・・・なんて、ふざけてもいられないくらいに、彼のご機嫌は悪い。

『打ち上げだよ、飲みに行っただけだって』

『二人っきりで?!』

『オレもね、二人だけなんて思わなくてさ、店についたら他の人たちもいるものだと思ってたんだけど・・・・』

『誰もいなかったんだ?』

あぁ、大ちゃん・・・声が低いね。

『しょうがないじゃん? 主演女優さんから誘われたんだよ? 二人だけなら帰りますって言えないでしょ? 子供じゃないんだから・・・』

大ちゃん・・・・膨れっ面も可愛いけどさ・・・膨れすぎ。

『で? 子供じゃない二人は何したわけ?』

『な〜んにもしてませんって! 飲んでおしゃべりしただけだよ』

『へぇ〜〜〜』

あれ? ぜんぜん信用してないね?

『な〜んにもしないのに、わざわざヒロ一人を誘ったんだ?』

『あ〜・・・・やっぱりオレがカッコイイからじゃない?』

おわっ、大ちゃん目が潤んでるよ。

『ごめん!冗談だってば・・・・泣かないでよ』

『泣いてないよ!!』

そっぽを向いた大ちゃんを抱きしめるために、テーブルを回って彼の隣へ・・・でも突っぱねられた。

『誤魔化されないからね!』

やれやれ・・・・。

『ほら、大ちゃん・・・オレの目を見て。 あの日、本当に彼女とは飲んだだけです・・・・・ね、嘘なんか言ってないでしょ?』

オレの目をじっと覗き込んでいた大ちゃんが、渋々といった感じで頷いた。

いつもいつもヒロの嘘は目を見ればわかる≠ニ豪語しているだけあって本当に鋭いんだよ、そういうとこ。

『だから機嫌直して? オレの誕生日祝ってくれるんじゃないの?』

細い腰を抱き寄せて、唇に軽くキスをする。

『ん・・・おめでと、ヒロ』

駄々をこねたのが、ちょっと恥ずかしかったのか目を伏せたままの彼にもう一度、今度は深いキスをする。

確かにあの夜は飲んだだけだったけど・・・・・彼女とはその後も会ったりしちゃったんだよね。

子供じゃないから、いろんなことしちゃったし・・・。

ごめんね、大ちゃん、嘘ついて・・・・。

でも彼女とはそれだけだから・・・・それっきりだから・・・・。

長いキスから解放すると、少しはにかんでオレを見上げる大ちゃん。

う〜ん、やっぱり可愛いや。

『愛してるよ・・・』

これは本当だから・・・・・ずっとずっと愛してるよ。

2006/07/07 【suica】

☆Milkey Way☆



「一年に一度しか会えない恋人同士なんて悲しいね」


…七夕の夜にオレが言うと

「そんな事ない、会えない距離や会えない時間を“愛”で埋めて、たった一度の逢瀬に身を焦がすんだから」

…君が夢見るように答えてくれる


「そうなのかな〜 でもさ、会いたい時に会えないと心って離れていくよね」

…少し意地悪くオレは言う

「現実はそうなんだよきっとあの2人だって毎日会いたいに決まってるもん

 それでも“本物の愛”は揺るがないと思いたいよね」

…少し悲しそうに君は言う


「大ちゃんなら一年に一度でも大丈夫って自信ある?」

…君の瞳を見つめながらオレは聞く

「あるよ、ヒロ限定だけどね」

…薄く笑って君はオレの腕にしがみつく



会えない距離と時間をもどかしく思いながら“愛”を育てていたのは逸話の中の2人だけじゃない

オレと君もそうだったね

それでも、こうして側に居られる幸せを感じる

いつか逸話の2人が永遠に離れない日が来る事を願ってあげよう


七夕の日は何故か雨の夜になる

2007/03/24【suica】

*この手に在るもの*



仕事とかお金とか達成感とか色んなモノが手の中に在るのに一番欲しいモノがない

触れても掬っても零れ落ちる

一度としてとどまってはくれない

“幸せ”をかたちにすることなど出来はしない

君が側にいる事

言葉を交わす事

見つめてくれる事

全てが一瞬通り過ぎるだけ

「好き」という感情に何の意味があるだろう

想いが百億あっても相手の想いがゼロならそれは永遠にゼロのまま

悲しいけれどそれが現実


「大ちゃん、どした?」


ヒロの裸の胸に顔を寄せて体臭を嗅ぐと僅かに体温が上がる

この熱を手放す方法はヒロしか知らない


「……嫌だ」


「ん?何か言った?」


見上げると茶色の瞳とぶつかった


「何が嫌なの?大ちゃん…」


珍しく弱気にヒロの瞳が揺れる


「オレといるのが嫌なの?こうしてるのが嫌なの?」


「その反対…ずっとずっと一緒にいたい。離れたくない」


「だったら」


ヒロの唇が瞼におちた

温かくて柔らかくて…きっとヒロのキスはこの世で一番優しいモノだ


「そんな事言わないでよ」


言いながらヒロは背中から抱き締めてくれた


「ごめんね」


例え不安定な感情の積み重ねを愛と呼べなくても“幸せ”は近くに在る


「だぁいちゃん」


ボクの手のひらにヒロの手が重なった

2006/11/04 【流花】

君の欲しいもの



『アメリカも晴れてるかな〜』

事務所の窓から青空を見上げて呟く。

『アメリカって、す・・・・・っごく広いのよ。限定したら?ニューヨークって』

からかうようなアベちゃんの声に振り返るのをぐっと我慢して、

出来る限り冷静に返事をする。

『ニューヨークはきっと晴れてるよ・・・・』

だって、ヒロが行ってるんだから・・・・という言葉は飲み込んだ。

『時間は・・・・夜の11時くらいかしら・・・・きっと飲んでるわね』

そっか・・・・あっちはまだ僕の誕生日になってないんだ・・・・

じゃ、電話なんてくれないな。

いや、きっと誕生日になったところで、わざわざ電話なんてくれないだろうけど。

『さ、こちらはちゃんとお仕事しましょ! 誕生日のお祝いは夜になったらね』

『うん、早いとこ仕上げちゃおう』



足元でおとなしく座っていたワンコ達の頭を撫でて、

僕が立ち上がると同時に電話が鳴る。

違うとわかっていても鼓動が跳ねるのは、期待が捨てきれないから・・・。

未練を振り切るように、足早に仕事部屋へと向う僕を、

電話に出たアベちゃんの声が止める。

『・・・ヒロ・・・みたい』

振り返ると、彼女もちょっとびっくりした顔で僕に受話器を差し出している。

『うそ・・・』

からかっているのではないのかと、半信半疑で受話器を受け取った。


『もしもし?』

《大ちゃん? HELLO!・・・・っと、仕事中だよね、ごめん》

『ううん、大丈夫。 これ国際電話?』

《そう! だから用件だけね》

早口で喋るヒロの声はとっても近くて、アメリカからなんて嘘みたいだ。

《さっきさ、ガラス細工のお店に入ったんだよ、たまたまなんだけど。

でね、猫の細工がとっても綺麗だったんだよね》

『うん・・』

《これ大ちゃんに買っちゃおうかな〜って思ったら、

隣に犬の細工もあって・・・・やっぱり犬がいい?》

『え・・・と・・・・そうだね、犬のほうが好きだけど・・・』

《でもね、犬は普通に綺麗なんだけど、猫はとぉっても綺麗なんだよ。

・・・でも大ちゃんは犬が好きなんだよね?》

『まぁ・・・ね・・・・』

答えながら、僕は笑いを堪えきれずに吹き出してしまった。

《だぁいちゃん?》

不審そうなヒロの声に、なんとか笑いを治めたものの声音は笑ったまんま。

『ヒロさぁ、猫が気に入ったんなら自分の分として猫買えばいいんじゃないの?』

すると、電話の向こうで大きな溜息が聞こえた。

《それじゃダメなんだよね。

オレが心打たれたものを大ちゃんに贈るってとこが肝心なんだから》

『じゃあ、僕に聞かずに買えば?』

《・・・・・それで、大ちゃんが喜んでくれなかったら悲しいじゃん・・・》

『両方買うとか?』

《な〜んか、心がこもってないなぁ・・・》

ホントだ・・・・わざわざ電話して聞いてくれてるのに・・・・

僕の返事を聞いて、きっとまた明日にでもお店に足を運ぼうと思ってたんだよね。

『ごめん・・・・あのね・・・・』

僕は受話器を持ったまま、事務所のみんなから隠れるように背中をむけて小さくヒロに囁いた。

『僕はね、ヒロが買ってくれたものならなんでも嬉しいから・・・』

言いながら、顔から火が出そうだったけど、ちゃんと伝えないとね。

《・・・・うん、わかった。楽しみにしてて》

満足そうなヒロの声にほっと胸を撫で下ろす。

『うん、楽しみにしてるよ。あ、そっちはあぶないんだから無茶しないでね』

《大丈夫! じゃ、帰ったらすぐ会いに行くから》

『待ってるね』

《・・・・happy birthday!!!》

やたらネイティブな発音で言った後に、

派手なキスの音まで入って電話は切られた。


『・・・恥ずかしい奴・・・』

呟いた僕の顔を、アベちゃんが覗き込む。

『うわ〜、溶けてる溶けてる』

何が?・・・・・・僕が?!

素早く横目で見たキャビネットのガラスに、

締まらない顔をした僕が映ってた。

締まらない? ううん、幸せな・・・・だよね。

さ、ヒロがガラス細工の猫を持って帰ってくる前に、

お仕事は終わらせておかなくちゃ。



だから・・・・・・・早く帰っておいで・・・・・。
2009/06/06 【流花】

☆ そのままで ☆


ついに40歳!

男40!・・・・・さて、どうあるべきか?

いろいろ考えて、考えあぐねて、大ちゃんに相談してみた。



「ヒロは変わりたいの?」

そう問われて・・・・・・ん?と思う。

「ヒロは、そのまま・・・ヒロのままでいいんじゃない?」

なるほど。 ウロコが落ちた感じだった。


その言葉が、なんか嬉しくて、ついファンイベントで喋ってしまったら

翌日には、大ちゃんの耳に届いたらしく・・・・・


「しゃべったの?」

ちょっと責めるような口調で電話がかかってきた。

『うん、いけなかった? オレ嬉しかったからさ』

嬉しい≠ヘ、軽い免罪符だと知ってて、よく使う。

案の定、大ちゃんはケータイの向こうで言葉を詰まらせる。

「別に・・・いけなくはないんだけど・・・」

『だけど?・・・・・』

「ベッドで言ったことだからさぁ・・・・なんか・・・・」

『あぁ・・・・・・でも、ベッドで聞いたとは言ってないから』

「あったりまえだろっ、バカ!」


バカって・・・・。


『大丈夫だよ、ファンのみんなだって。。。大ちゃんっていいこというなぁって感心してるよ、きっと』

「う〜〜〜ん・・・・でもさぁ・・・なんか恥かしいじゃん?」

『そんなことないって。誰もベッドの中の話だなんて思ってないって』

「思ってたまるかっ、もうっ・・・バカ!」


またバカですか・・・・・。

でも、さっきのバカよりちょっと優しいね。


『大ちゃ〜ん、さっきからバカバカって・・・・・・・・ぁ・・・・・』

ヤバイ・・・・変なスイッチ入ったかも・・・・・。

「ヒロ?・・・どうしたの?」

いきなり黙ってしまったオレに、大ちゃんの心配そうな声。

『今から行ってもいい?』

「はぁ? いきなりなに?」

『大ちゃんの色っぽいバカ≠ェ聞きたくなっちゃって』

数秒の間が空いて

「・・・・・バカじゃないの・・・・」


そんな、囁くように言われたら逆効果だってば・・・・いや、誘ってる?


「ヒロ、忙しいんでしょ?」

『うん。大ちゃんも忙しいよね』

「・・・まぁ・・・ね・・・」

『でも、行くから』

オレの言葉に大ちゃんが小さく笑って

「待ってる」



待ってて、そのまんまのヒロが行くからね!

なんて、大ちゃんに言ったら、きっと

意味が違うよ、バカ!

って、また言われそうだから、やめておこう。


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